近頃はLPレコードが静かなブームになっているよし。これも大部分は捨て、一部は売ろうと思いながら整理中にちょっと聴いてみると懐かしいものばかり。ラックのほとんどがクラシックなのですが、ナットキングコール、ベラフォンテなど昔の名曲。江利チエミさんがよく歌っていましたがバナナボート、いいですネエ。それにイヴ・モンタンの枯れ葉。今の音楽とは違って深味があります。それも郷愁でしょうか。クラシックでもバックハウスやグレングールドを聴くともう捨てられません。昨夜の紅白の歌なんて児戯に類するもの。結局半分以上はもとの棚へ。というわけで多くの長年の垢は思ったほどには洗い流さずに終わってしまいました。
週刊文春に「真夜中のなわとび」という小欄があります。林真理子さんがもうずいぶん長い間書いておられるエッセイです。小生週刊誌はほとんど読まないのですが、この欄だけは時折覗いてなるほどと楽しんでいます。昨年の最終、12月26日号は年をとったときのボケ。「こども叱るな嘗て来た道、年より嗤うないつか行く道」というお話しから始まって彼女のお母さまが過日百一才で亡くなられた折の想いを述べています。金さん銀さんの時代にはまだ少なかったのですが、これからは百才時代。寿命は閻魔様がお決めになることですから変えようがありませんが、それまでは何とか楽しく健康でいたいものです。私は子供時代病弱で学校も休みが多く、いまでも小学校の友人からは「サイトウ君はいつも喉に包帯を巻いていたネ」と言われるほど。大学の折には結核で長い休学をしましたし、胃癌の手術もありました。なのにこれほど長く、あまりボケもせずに生きていようとは夢にも思いませんでした。
都市の生活に一番欠かせないのが上下水道。パリの下水道や平安京の水害などに想いをいたさずとも、過日の大雨、大地震の際の報道をみるとその思いを深くします。人間の身体も同じです。巷間沢山の健康法が流布されていますが、いずれも本質は血のめぐりをよくするかどうかということだと思います。昔からの針灸も、風邪の時には暖かくして湯気を立てという言い伝えも、すべて血流をよくするための方策に過ぎません。血の巡りをよくするためには動かすこと、温めること。それは一日一万歩と足のことばかりでなく、手の指から顎から、いや内臓の肺や胃も含めて活発に動かすことが大切です。もちろん頭いや脳を動かす、使うことも。この欄に投稿させていただくのは脳を動かすのに大切な行動の一つと思っているのですが。
さて今年はどうなりますか。皆様も体中を活発に動かして楽しく過ごされますように。ボーッとしているとチコちゃんに叱られますョ。