【6号】電子工学科新設に伴う工学部3号館増築/阪本捷房
昨年の同窓会報にも述べてあるように、電子工学科は電気工学科と非常に密接な関係があるために、電気工学科と地理的に離れることは教育上にも研究上にも不便が多いことと、電子工学科新設に伴う建物の割当が約440坪で極めて狭隘であり、新築部分だけでは電子工学科の運営ができないために、従来電気工学科と船舶工学科が使用していた工学部3号館の屋上並びに中庭に増築を行い、且つ従来電気工学科の使用していた部分にも一部改修を加え、これと増築部分を一纒めにして、両学科の協力のもとに効果的に使用することにした。
屋上増築および改修部分は図1に示すように電子工学科および電気工学科の通信、一般電気の講座の研究室が各教官当り一室ずつ割当てられている。研究室の一部は恒温恒湿室になっている。その他に暗室などの共用設備がある。中庭の増築部分は図2に示すように、地上3階建で、1階(通称地階)は研究室と列品室、2階は製図室、3階は助教授室と製図室になっている。
以上のような増築に伴い、3号館の2階は、旧製図室と高周波学生実験室を電子工学科と電気工学科の合併講義用の講義室および書庫に改造した。旧書庫は細分して2教授室、 1助教授室、小会議室として、電子工学科と電気工学科の教官室は区別なしに、2階に集中している。
[(写真)工学部3号館増築]
3号館2階西側の研究室が4階に移転した跡は電子、通信学生実験室に改造した。3号館1階は大きな改修はなく、教室は電子工学科と電気工学科で共用している。3号館地階の学生実験設備の設置してある場所は従来どおりであるが、それに面する研究室は仮間仕切りであったのを、今回、本間仕切りにし、従来地下にあった研究室の一部4階移転に伴い、研究室の再配分を行った。上記のような改修と同時に旧3号館内部の塗装および照明設備の強化をはかり、体裁を一新した。
工事の概要
建築面積:
A棟 中庭増築、 316.008m2(95.592坪)
B棟 屋上一階増築、 1,056.717m2(319.656坪)
合 計 1,372.725m2(415.248坪)
構造:
A棟 鉄筋コンクリート造、地階付2階建
B棟 鉄骨造(サーモコン造)屋上1階増築
外装:
A棟 モルタル塗り吹きつけリシン仕上
B棟 同 上
主要室内装:
A棟 床ロンタイル、壁プラスター、天丼石膏ボード、ビニールベンキ塗り
B棟 床マルケイ、壁モルタル、ビニールベンキ塗り、天丼石膏ボード、ビニールペンキ塗り
<6号 昭37(1962)>