むすび

さて不十分な資料であるが、一応のまとめを行って顧みると、我が級友の働きは総括的にどう評価できるだろうか。戦争の影響を最も受けた我々であったが、戦中は無線兵器の領域や教育に、他の学部の人と比べて大きく貢献している。戦後は日本国経済の再建を合言葉に、貧困のなか大部分の者が、技術者として、また教育者として働いてきた。日本経済の復興発展に、若手としてそれぞれ充実した活動をし、貢献したといって良いのではないかと思う。外地や軍に勤めた者、兵役で苦難を味わった者はいるが、多くの者はこれを切り抜けて、皆手堅い仕事と生活を築いている。一旗揚げた成金組はいないが、条件を考えれば、総じて同窓の中ではまあまあの評点が与えられると自賛したい。

あと僅かの日で訪れる卒業70年の会をできるだけ多くの者で祝いたいと思っている。

以上同期生の卒業後の活動を、第三部そして入手し得た情報に基づき綴ってみた。

卒業70年を前にして、第一稿として、今後の充実を図ることする。共に学び社会に出た友に感謝しつつ、現存の会員・遺族に報告すると共に、亡き友、指導頂いた先生方に捧げる。

なおこの資料作成に当たり、中村君などが骨折られた『卒業六〇年記念誌』に負う所が大きい。

また長い歴史を持つ「電気工学科同窓会」にもその一コマとして提供し、同窓の方々に参考にして貰えることを願っている。

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