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  • シドニーで眺めた日食/大橋康隆@クラス1955

     今年は7月22日に日本で皆既日食が観測出来るので、マスメディアで話題になっている。


    私は海外出張中、シドニーの港の見える丘で、1976年10月23日(土)の午後、偶然に日食を眺めたのだが、ホテルに帰って初めてメルボルンでは皆既日食であったことを知った。珍しい経験なので、薄れてきた記憶から思い出して報告することにした。
      1976年10月16日(土)の夕方羽田を出発し、翌朝メルボルンに到着した。当地にはNEC Australiaがあり、光通信の講演と展示会の開催、客先訪問をした。更にシドニー・オフィスを訪れ同様のPR活動をした。
     10月23日(土)は、久し振りの休日で、午前中に遊覧船でシドニー湾を海から見物し、午後植物園を訪れた。オペラ・ハウスは湾内から眺めただけであるが、湾岸の別荘の風景は素晴らしかった。

     1植物園.jpg  3-1976年のオペラハウス.jpg  2シドニー湾岸風景.jpg

    植物園

    1976年のオペラハウス

    湾岸の別荘の風景

     疲れたので港の見える丘で座り込み、唯一人ぼんやりと眺めていると、トヨタと日産の車を満載した大型貨物船が2隻、航空母艦のように次々と入港してきた。暫くして、急に薄暗くなり遂に暗闇になった。遠くから羊がメーメー、牛がモーモーと鳴き始めた。やがて再び薄暗くなり、平常状態に戻った。日食だと気付いたが、メルボルンでは皆既日食であったとは知らず、千載一隅の好機をぼんやり過ごしてしまった。今になってグーグルでその時のカラー写真を眺める破目になった。
     10月24日(日)にシドニーからシンガポールに飛んでPR活動を続行した。小型ジェット機であった為か、エアポケットでの衝撃は凄かった。私は疲れて眠り込むことが多いので、トイレに行く時以外は常にシートベルトを装着している。しかし、赤道付近では大きな入道雲が多く、何度もエアポケットに嵌るので、そのうちに主翼が折れそうな気がした。10月26日(火)にマレーシアのクアラルンプールに飛び、PERNAS NEC を拠点にしてPR活動をして、10月29日(金)の夕方羽田に到着した。
     この時の講演や展示会では熱心な質問が相次ぎ、光通信の将来に希望の光が見えてきた。その後、シンガポールに出張した時は、当地の新国際空港が完成しており、昼食時にビルから見下ろすと、周囲のビルから中国系の人達が一斉に道路に溢れ出て来て、その活況振りと成長の速さに驚いた。オーストラリアからは、技術者1名が来日して、我々と開発作業を共にした。奥さんと可愛い坊やも同伴し、国立の富士見台団地の我が家にも遊びに来た。言葉は通じなくても、坊やは私の母にすっかり懐いてしまった。帰国後は、クリスマス・カードを交換していたが、その坊やが大学を卒業したという知らせを受けたのも、一昔前の話になってしまった。

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