東京大学電気系150歳記念事業 「捕雷役電150」を始めました
ちょうど150年前の1873年、スコットランドの新進気鋭の若手教官、エアトン先生を師とあおいだ、志田林三郎先生に始まった東京大学電気系は、「通信」「電力」「電子」「情報」へと分野を広げ、日本から世界に学問と産業を生みだしてきました。150歳を祝い、3月7日にはグラスゴー大学とのワークショップを企画しています。
記念事業として、「捕雷役電150」と銘打ち、教育発信事業への寄附を開始いたしました。
捕雷役電とは、「雷を捉えて電気に役する」という意味で、放っておいては失なわれるエネルギーを、役に立つ形に変換して富とすることであると理解されます。東京大学電気系の名誉教授、渋沢元治先生の博士号取得を祝し、岳父の穂積陳重博士より贈られた額が、昭和15年に電気系に寄贈されたもので、現在は工学部2号館3Fの基幹会議室「電気系会議室2」に掲げてあります。
学問の本質はここにあり、です。放っておいては無くなってしまうものを、しっかり捉えて役立てる、これは過去も未来もかわらぬ、大学の使命であると考えます。このポリシーに賛同する皆様からの、貴重な寄附を募るものです。
ひるがえって電気系の足元を見ると、研究環境はともかくとして、教育環境は必ずしも潤沢ではありません。2000年初頭には、「21世紀COE」などの、学科単位での大型の教育プロジェクトがありましたが、それらは2020年までに姿を消しており、現在では2013年に導入したプロジェクタ(今さらながらの1024×768ドット!)を、頑張って使っているという状況です。国が整備すべきですが、そういう状況にも中々ないということも知られているところです。
そこで、「過去」「現在」「未来」でプロジェクトを組み、「150にちなむ額」を目標とした寄附事業を開始いたします。
賛同する皆様からの、幅広い寄附を、お待ちいたします。
同窓会総務幹事 電気系工学専攻 教授 三田吉郎