電気系150周年記念講演会の御報告
1883年に工部大学校、東京帝国大学工学部の前身である工学寮が設立され、そのときにグラスゴーからエアトン教授を(お雇い外人の)初代教授としてお迎えし、世界最古の電信科として、東京大学の電気系学科が、その歩みを始めました。
2023年度は、それから150周年を迎える年となりました。その年度末の2024年3月7日、工学部2号館の241号教室で、英国グラスゴー大学から、写真1の Prof. Hadi Heidari, Prof. Stephan Sweeney, Dr Paul Harvey, Prof Adam McKenzie, Prof Konstantinos Kontis の5名の先生(これに同時期に来日していたProf. Yazakiを加えると6名の先生)をお迎えし、以下のプログラムで、記念講演会を開催しました。この記念講演会は、基本的にすべて通訳なしの英語で開催され、当日は会場とZOOMによるオンライン同時配信で、電気系の学生、卒業生に広く公開されました。
写真1 グラスゴー大学から遠路お越しくださった5名の先生方
(工学系研究科列品館会議室にあるヘンリー・ダイアー像を囲んで)
電気系150周年記念講演会:「捕雷役電と電気電子情報の国際的教育研究の将来ビジョン」
A vision for the future of international cooperation in education and research on electrical, electronic and information engineering のプログラム
<午前の部>
10:00-12:00, 13:00-17:00 on 7 March 2024, Moderator: Prof. Koseki 司会 古関教授
10:00-10:15 Opening remarks Prof. Yamashita (Head of the Department of Electrical and Electronic Engineering) 開会の辞 電気系工学専攻長 山下教授
10:15-11:15 Keynote speech: 基調講演
Electrical and Electronic Engineering at The University of Tokyo: Its People and Culture 東京大学における電気電子工学の足跡:その人と文化 by Prof. T. Okamoto (Dept. of History and Philosophy of Science, Graduate School of Arts and Sciences, The Univ. of Tokyo 大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系科学技術基礎論講座教授 岡本 拓司 先生)
Research activities in electrical engineering and information science
<UoT session: Introduction of research activities> 東京大の講演:研究活動紹介
[1] Introduction: Prospective Academic Exchange (Prof. Nakano) 総論 今後の学術交流の発展を図るために(中野教授)11:15-11:20
[2] Power and Control Systems(Prof. Ohnishi and Prof. Fujimoto) 電力・制御技術の趨勢 (大西准教授/藤本教授) 11:20-12:10
<午後の部>
[3] Information Technology and Artificial Intelligence (Prof. Kawahara) 情報・人工知能技術の趨勢(川原教授)13:30-14:20
[4] Nano and Device Technology (Prof. Mita) ナノ・デバイス技術の趨勢(三田教授) 14:20-15:10
<Session by guest professors from Univ. of Glasgow> グラスゴー大学の先生方のご講演
15:45-16:15 & 16:15-16:35
[1] グラスゴー大・東京大間の電気系工学分野学術交流概観
TITLE: Overview of Electronics and Nanoscale Engineering Research Division
NAME OF LECTURER: Professor Hadi Heidari – Head of Electronics and Nanoscale Engineering research division, James Watt School of Engineering
[2] On “Henry Dyer Lecture” 定期的な両大学共同講義「ヘンリーダイア―講義」による両大学学術交流拡大の可能性
TITLE: The Henry Dyer Lecture — reforging historic links between UofG and UTokyo
NAME OF LECTURER: Dr Adam McKenzie – Research Associate, James Watt School of Engineering
<Closing session>
16:55-17:00 Closing remarks Prof. Irie, Head of Department of Electronics and Information Engineering 閉会の辞 電子情報学専攻長 入江教授
特に、写真2に示す、大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系科学技術基礎論講座教授岡本拓司先生にお願いした基調講演では、科学史の専門家による第三者の視点で、明治期の電気系の歩みを、丁寧な文献調査に基づき客観的に語っていただきました。その内容は、当初の期待以上に、電気系教員および卒業生には有用な内容であると聴衆から高い評価を得ました。
そこで、岡本先生に特別にお願いをし、その講演内容の記録動画を、電気系同窓会の会員限定で、ここに公開するお許しを得ました。つきましては、岡本先生の講演スライドへのリンクを、会員マイページ(https://pu.palsyne.net/u-tky-denki/)のトップページのお知らせに掲載しますので、そちらをご覧ください。ファイルのパスワード情報もそこでお示しします。また、講演動画は、講演資料1ページ目に掲載のリンクをクリックして御覧ください。(会員マイページに入れない方は、事務局までご連絡ください。)
写真2 3/7の150周年記念講演会の様子:岡本教授基調講演
この記念講演会に引き続き、写真3のように、山上会館かどやで三田教授の司会のもと、グラスゴー大の先生との懇談会が開催されました。この懇談会には、これまでグラスゴー大との大学間国際学術交流協定のリーダを務められた生産技術研究所平本教授をはじめとする40名が参加し、和やかな語らいのときが持たれました。
そのグラスゴー大との全学学術協定は、この記念講演会を契機に更新されるため、 翌3月8日に、その協定更新のためのキックオフ非公式協議が、列品館の会議室で開催されました。新たな協定の東大側のリーダには、本年度中野教授が就任し、その後、その責任を三田教授が継承して、まずは、3/7の講演会で、Dr Adam McKenzieから提案のあった定期的な両大学共同講義「ヘンリーダイア―講義」の具体化から着手することで、グラスゴー大の先生方と合意を得ています。
本報告記事は、電気系150周年記念講演会準備委員会の幹事を仰せつかった古関がまとめましたが、基調講演の岡本先生、イギリスから遠路東京へご出張くださったグラスゴー大の先生方、ご登壇くださった講師の先生方、共催団体としてご支援くださった電気電子情報学術振興財団および電気系同窓会のご関係者、グラスゴー大の先生方のキャンパス見学はじめ本行事の準備と運営をご支援くださった工学系研究科事務、図書室、電気系事務を含む関係教職員および大学院生サポートスタッフの皆様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。
(電気系150周年記念講演会準備委員会幹事・古関隆章)