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  • 近頃思うこと/沢辺栄一@クラス1955

    最近、民主主義という政治システムは良くないのではないかと思う現象に色々と気付かされる。日本の技術、経済産業は一流だが、政治は三流であると世界で評価されているが、我が国の政治の現状を見れば正にその通りに感じる。


    政治家は選挙民の顔色と利権ばかりを見ており、20年、30年の先を見た理念、見識のある政策がなく、当面の選挙の票を目当てにした政策ばかりである。
    田中角栄や鈴木宗男のように自分の選挙区の利益のみを考えて当選しようと図り、また、選挙民もそのような政治家に投票している。
    昔、上司から課長は部長の立場で、部長は局長の立場で、すなわち、1ランクレベルを上げた立場にたって仕事しろと言われたが、県のことは県会議員に任せればよいのに国会議員は自分の選挙区の利益のみを考え、国の立場で考えることが殆ど無い。選挙システムを変える必要を感じている。
    明治維新の後直ぐに、新政府の高官達が欧米を視察した岩倉具視使節団の米欧回覧実記を書き、後に東大教授になった久米邦武はアメリカで丁度大統領予備選挙の時期に会い、民の中から大統領が選ばれることに感心したが、実態を聞き、民主主義では大衆受けのみで理念や実行力のない政治家が選ばれ、衆愚政治に陥る危険性があるとその実記に卓見を記している。
    日本の現状は正に衆愚政治そのもののように感じるのは私だけであろうか。
    また、我々技術者が技術システムを新しく開発、構築していく場合には皆で討議し、意見の違いの中でより良いものを採り入れ、総合的にベストなものを積み上げ、組立てていくが、政治では一つの政策提案に対して、党派を超えて討議し、改良し、ベストな政策に仕上げていく風習が少なく、相手の党の政策提案に対しては反対だけの行動しかなく困ったものだと感じている。
    何か民主主義に変わる良い衆賢政治システムは無いものだろうかとも考えている昨今である。

    3 Comments »
    1.  私も同じようなことを考えていました。政治のありようとは違いますが、アメリカのサブプライム・ローン問題や、リーマン・ブラザーの問題など資本主義そのものも完全なものではないな、と感じています。そもそも借金をして返さなくも済む仕組みに疑問を感じています。
       後期高齢者ともなった私共ではいかんともし難いことですが…。

      コメント by 髙橋郁雄 — 2008年10月6日 @ 13:37

    2. 沢辺君の問題提起に対して正面から答えたことにならないけど、現状を中長期的に改善するための幾つかのアイデアを出してしてみた。
      (1)出たい人より出したい人を優先する選挙制度の確立
      政治屋ではなく“政治家”に政治をやってもらうためには「出たがる人」を抑える仕組みが必要。例えば、Negative Campaignを認めること、投票の際不適当と思う人には×を付ける制度の導入など。また、政治はボランティアでは勤まらないので、出てもらった人には十分な報酬を支払わねばならない。一方で実績を正当に評価するシステムの確立も当然必要。
      (2)政治のプロを養成する仕組み作り
      国家百年の大計を胸に置いて日常の政治を行うことのできる“政治のプロ”を継続的に養成し、送り出す仕組み作りが重要。医者と同じく政治のプロも一人前に育て上げるには長い修行期間が必要で、その中には民間会社での実務経験も必須であろう。優秀な人材を集めるには政治家という職業が魅力のある仕事であるという空気を作り出す努力も要求される。
      (3)両院の性格をはっきり分ける
      衆議院と参議院は定数や任期が違う以外大して差がなく、議員も一方で落ちると別の方に鞍替えというのが当たり前になっている。ここはやはり折角の2院制だから性格をはっきり分けて、例えば衆議院を現状通り地方代表とするなら参議院は道州制を意識して地方ブロックの比例代表だけにし、より国政レベルに近づけた選挙ができるようにしたらどうか。

      コメント by 大曲 恒雄 — 2008年10月6日 @ 17:46

    3. 民主主義の問題点については、小生も関心を持っていますが、従来あまり考える機会がありませんでした。
      今回刺激を受け、インターネットを使って少し調べていたところ、北大経済学部准教授橋本努氏の文章を見つけました。民主主義の歴史、問題点、改善方向について要領よく、A4、3ページに纏めてあり、我々素人が考える時の基礎資料、出発点として役立つように思いました。
      文章の表題:民主主義、Democracy
      文章記載のHPアドレス:
      http://www.econ.hokudai.ac.jp/~hasimoto/My%20Essay%20on%20Democracy.htm
      政治制度の改良・改善は大切ですが、政治制度をを運営するのは人間であり、人間の性格、行動が制度の成否を左右する要因であることをよくわきまえておくべきだとと思います。

      コメント by 冨田 浩 — 2008年10月10日 @ 20:05

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