ディズニーランド(2)/齋藤嘉博@クラス1955
記>級会消息 (2018年度, class1955, 消息)
このクラスの卒業35年会はディズニーリゾート、海に面した浦安のシェラトングランデで行われましたので、諸兄はディズニーランドにはすでにお馴染みのことと思います。
昔はこのランドに来るお父さんたちはお母さんと子供が楽しそうに遊ぶのを「なんだ、こんな子供だまし」とつまらなそうにベンチで無聊をかこっていたものでした。35年を経た今のお父さんは自分が子供時代に楽しんだパークを思い出しながら子供と一緒になってスプラッシュマウンテンでボートに乗り、ビッグサンダーマウンテンの走りを楽しんでいるのです。「人間誰だって子供だった時代があるんだ」といったウォルトの言葉が生きています。そしてもう一つの変化が若者たちの間にも。当初はステージでの踊りに溶け込むこともなくアトラクションを楽しむのにいっぱいでしたが、今はたくさんの人がキャラクター、シンデレラはもちろん、スペードの女王、ピーターパン、魔女などなどのコスチュームを着てランドの雰囲気を楽しんでいるのです。以前はコスチュームを着ているのはキャスト(ディズニーランドでは場内の係員をキャストと呼びます)くらいでしたのに。
ところで諸兄はディズニーランドに入口が一つしかないのをいぶかしく思われたことはありませんか?遊園地というと入口は北口とか西門とかいくつかの入場口が設けられているのが普通でしょう。各方面からくるお客の便利などを考えてのこと。シェラトングランデはランドのほぼ裏側ですから、裏口があればすぐに入ることができるのに、実際はバスでぐるっと遠回りをしてメインゲートへいかなくてはなりません。ディズニーランドには入り口は一か所、パーキングに車を置いた人も、舞浜駅から歩いてくる人も同じ一つの切符売場そしてゲートを入るのです。ウォルトはこのランドを「地上で一番幸福な場所」と名付けています。ここにはいるゲストのみなさんは同じ入口から入り、同じ感触を持ってほしいというシステム思考なのです。
さてわたくしがトムソーヤ島を後にしてから?これはその日の気分でまちまち。カリブの海賊であったり、スプラッシュマウンテン、ジャングルクルーズ、ホーンテッドマンションであったり。チキルームも気分を変えるには格好のアトラクションです。このアトラクション、アナハイムには開園から8年遅れて1963年に作られたものでした。ポリネシア風に作られた館のなかのジャングルでは、ミミ、ジョセフィーヌなどと名前のついた6羽の色鮮やかなインコ。それに極楽鳥や54の蘭の花など、全部で225の花や鳥が音楽に合わせて歌って鳴いて、そして飛んで。現代ならこの程度のショーはまったく簡単に作り上げることができましょうが、いまから60年以上も昔、まだコンピューターの幼稚な時代にと考えるとその新鮮さと技術の確かさに驚かされます。ウォルトはこれをオーディオアニマトロにクスと名付けているのです。この成功がのちにワシントンが演説をするショーへとつながりました。東京のチキルームはアナハイムと同じ作りです。
こうして楽しむうちに一日はあっという間にすぎてしまうのです。
こうして楽しむうちに一日はあっという間にすぎてしまうのです。
なお、ディズニーランドにさらにご興味のある方は東大教養学部の教授をされた能登路雅子先生の「ディズニーランドという聖地」(岩波新書)を読んでいただきたいと思います。先生はカリフォルニア大学に学ばれてディズニープロダクションのお仕事をされTDLのプロジェクトにも参加されました。
2018年7月16日 記>級会消息