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  • 本バカ/武田充司@クラス1955

      先日の東京30会に出席しようと新橋駅の改札口を出たら、あの機関車の置いてある駅前広場で古本市が開かれていたので、つい引っ掛かって10分ほどうろついてしまった。

      帰りはもう時間制限なしだから、あてもなく30分以上もぶらぶらしたが、何も買わなかった。
      高校時代から本屋めぐりが好きで、暇さえあれば本屋を冷やかしていたのだが、気に入った本に出会うと、とりあえず買っておく。しかし、直ぐには読まず、いわゆる、「ツン読書」で机の上などに積み上げておく。そうして何年か経って、あちこちに置いてある未読の本をひっくり返してみると、時々、同じ本が2冊出てくる。その時の腹立たしさ、無念さ。これぞ「本バカ」の真髄だ。でも、未だ同じ本を3冊買った覚えがないのは僅かな救いだ。
      どうしてこんなことになるのか、それは、殆どの場合、買った本を直ぐには読まず、日頃から何となく優先順位を決めて順番に読んでいるからだが、この習慣はなかなか変えられない。その上、速読は苦手だから、10年以上も前に買った本が、やっと順番が回ってきて、最近になって毎日読んでいるかと思えば、先週買ってきた本がどうしても読みたくなったので、いま読んでいる本が終り次第読むことにするなど、たまには番狂わせもある。しかし、結局、本はどんどん溜まってゆく。
    $00A0  こうして気まぐれに買って放置された本が行列をつくって待っている有様を見ると、あの世に行ってからもこの未読本の亡霊に悩まされそうだ。
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