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  • 最近経験したこと/沢辺栄一@クラス1955

     前回のブログで零戦に関連して小説「永遠の0」について記したが、その後、この小説が映画化され、1月末、2月の初めに観客数が300万人に達したという広告を見て刺激を受け、この映画を観た。


     俳優の演技も良かったし、小説に比べ映画は現実感に富んでいるので実感を持って鑑賞できた。ただ、何が何でも妻の許に帰ることを考えていた主人公 宮部久蔵が何故急に特攻を志願したのかが、小説では作者の言葉で説明があったので分かったが、言葉に出せない演技だけでそれを表現するのは難しく、鑑賞の皆さんは分かったのか疑問に思った。
     
     映画が終わってトイレに入ったら、後から高校生3~4人が入って来て、その一人が「お前泣いたか?」と友人に質問したら、「ズーット泣きっ放しだよ」と言う答えが返ってきた。それを受けて、最初に質問した学生が「今日から人生観が変わったよ。こんなに毎日ぶらぶらしていても良いのかな」と言う言葉が出てきたのには驚き、このような真面目な学生もいるのかと喜ばしく思った。直接感覚に訴える映像というメディアが如何に強く人間に影響を与えるものであるかを感じさせてくれた経験であった。不可能なことではあるが、この青年がどのような大人に成長していくか知りたいところである。
      
     「永遠の0」は特攻で亡くなった方の小説であるが、特攻に関しては前回のブログでも記したように、只、若い優秀な有為な若者が死に行くだけの無駄なものであったと思っていたが、最近になってかなりの成果があったことを知った。実際の戦果は287の艦艇を撃沈、大破させたこと、特攻隊員は約6,000人が亡くなられたが特攻により米国軍人の死者はその倍の約12,000人であったとのことである。大きなことは特攻によって米国の被害が予想よりも大きかったために、本土上陸による被害の大きさを恐れ、早く講和に入ろうという連合軍側の動きを促進したことである。また、国のため、家族のために個を捨てて行った行為が東南アジア諸国の人々に多大な感化を与え、各国の独立に身を捧げる人間が輩出し、それぞれの国が全て独立を達成し、中国以外に植民地がなくなったことは最も特攻の影響、効果が大きかったことである。これはフィリッピン首都マニラ北方にあるマバラカット東飛行場跡地に建設された神風記念館の碑文には「・・・神風を支えた信条とは、世界の全ての民族に対する機会均等と親睦が自らの死によって実現することを心底から願って自らの身を捧げた神風志願者たちの思いである」と書かれていることにより明らかである。
     
     「永遠の0」から特攻へと話がずれたが、このような特攻が今後活躍する必要の生ずることのないことを望むものである。
    (2014.4.10)

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