ハイランドゲームズ/大橋康隆@クラス1955
記>級会消息 (2012年度, class1955, 消息)
1996年7月に、会社生活最後の夏休みを利用してスコットランドを旅行した。顧みるとこの時の予期せぬ幸運が、退職後の欧州旅行の出発点となったと思う。
1996年7 月13日にエジンバラを見物してから、列車で1時間半北上し、夕刻にパースに到着した。夕方、フランクリン・ガーデンを訪れたが、赤やピンクの薔薇の花と木々の緑が鮮やかなコントラストで、印象的な美しい庭園であった。
翌7月14 日の早朝列車でパースを出発して、50分後にスターリングに到着し、午前中にお城の見物をした。(写真1)スターリング城から見下ろす眺望は素晴らしかった。(写真2)
城から降りて町の方に歩いて行くと、楽隊の音が聞こえ、大勢の人波が城の方に向っていた。街路には“STIRLING HIGHLAND GAMES”という横断幕が張られていた。(写真3 )
(写真1)
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(写真2)
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(写真3)
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(写真4)
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(写真5)
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(写真6)
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横断幕の2行目には“KINGS PARK$00A0 SUNDAY 14th JULY 12:30 pm ”と書いてあった。意味が判らなかったが、何かスポーツ大会でも開催されるのだろうと思い、人波に混じって再び城の方に向った。城に近い公園の大広場に到着して驚いた。数多くのバスが並び、既にバグパイプやドラムの準備演奏が始まっていた。(写真4)
最初に釘付けになったのが、スターリング城を背景にしたハイランド・ダンスのコンテストだった。キルトを着用した幼い少女達(写真5)から妙齢の女性達(写真6)まで延々とコンテストが続いた。上級者グループは、舞台の上に本物の剣を置いて踊っていた。これこそビデオで撮影すべきだと思った。
次いでバグパイプとドラムの演奏コンテストを見物した。(写真7) 各地のグループごとに腕を競い、写真の左側に審査員の姿が見える。 | ||
(写真7)
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(写真8)
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更に、古戦場の演技や(写真8)様々な陸上競技があり、ロック・クライミングまであった。驚いたのは、鷹匠の演技や警察犬の演技まであった。大広場には、様々な露店が現れ飲食には事欠かず、子供も大人も大いに楽しんでいた。
多様な演技に見とれているうちに夕暮れが近づいて、ふと見ると隣にいた筈の家内がいない。暫し探したが、大勢の人がいて見つからない。その内に観客が帰り始めたので、家内も駅で待っているかも知れないと思い、人波に混じって駅まで行ったが、見つからない。暫し待ち続けたが、薄暗くなり始めたので、再び公園に行き、入口の受付のおじいさんに、「家内を見失ったので、もう一度入場したい」と入場料を払おうとした。“You lost your wife ?“と大声を出して、入場料は要らないから早く探せと公園に押し込まれた。薄暗くなってきたので、参加者は大幅に減っており、容易に家内を見つけ出した。「気が付いたら姿が見えなくなったが、何を見物していたの?」と家内はケロッとしていた。公園を出る時、受付のおじいさんに ”You found your wife ! ” と叫ばれ、三拝九拝して通り過ぎた。帰りの列車で、私のオッチョコチョイ振りを聞いて家内は大笑いした。
翌7月15日に、パースのスクーン宮殿(写真9)やフェアー・メイズ・ハウスを訪れた。スクーン宮殿では、ケネス2世からジェイムス6世まで歴代スコットランド王の戴冠式が執り行われ、敷地内のスクーン修道院の前にある「運命の石」に歴代の王は戴冠式で座られたそうだ。 | |
(写真9)
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宮殿内には象牙細工やフランス製家具、美しい食器などが展示されている。更に、天皇・皇后、両陛下が皇太子・皇太子妃の頃に、訪問された時の写真が飾られており、今でも印象に残っている。美しい庭園では、孔雀が羽を広げていた。
フェアー・メイズ・ハウスは、文豪スコットの作品“The Fair maid of Perth“で、ヒロインの家のモデルとなった家屋で、パースで最古の建物である。
パースをゆっくり楽しんでから、再び列車で北上し、ハイランドの首都だったインヴァネスに到着した。
2012年6月11日 記>級会消息
Kings Parkでの思わぬイベント、それにハプニング。「退職後の欧州旅行の出発点になった」という意味がよくわかります。ハプニングを生かすも殺すも本人の気持ち次第ですね。
コメント by サイトウ — 2012年6月15日 @ 09:04