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  • 年々歳々花不同/齋藤嘉博@クラス1955

     この欄ではいつも諸兄の花だよりを、優れた写真と映像の技量に感心しながら楽しませていただいています。


    花はそれだけ人の心を誘うのでしょう。花のいのちは短くてと、たしかに育てるのは一年、あるいは千年。そして花をみることができるのは長くて1週間、短いと一日あるいは数時間。かなしい運命ですがこれも自然のなりゆき。今年は昨年の気候のせいでしょうか花がたくさん咲いたように思います。
     拙宅の枝垂れ桜は私のイメージ通りに咲いてくれました。近所には我が家をいれて3本の枝垂れがあります。1本はK先生のお宅、もう一本はS教団の入口。いずれも優雅な桜で歌舞伎の舞台に置けばそのまま道成寺、義経の道具になりそうなもの。それにくらべると我が家の枝垂れは優雅さに欠けますが大きさは一番。95年に調布で苗木を買ってきて植えました。そのときには1メートルあまりのものでしたが20余年を経て5メートルを超す樹に育ちました。付近の方々に大変楽しんでいただいています。

    1枝垂桜(30%).jpg 2. 水仙(30%).jpg 3.  チューリップ(30%).jpg

    枝垂れ桜(4月12日)

    水仙(3月11日)

    チューリップ(4月16日)

     昨年球根を植えた水仙は培養土をたっぷりと使ったためか、あるいは掘り起こして球根を夏の間乾燥させた効果でしょうか、早春のよい彩りになってくれましたし、チューリップは森山兄のレポートにあったあけぼの山公園の1万分の2という小規模なものですが、これも大変きれいな花を咲かせてくれました。キューケンホフのチューリップには圧倒されましたが、規模は小さくてもかならず幼稚園のお絵かきの題材になるこの花は春にはなくてはならない詩でしょう。それに花を終えた後の葉の形がまたなんとなく優雅で後味のいい植物です。

     月下美人は昨年夏と秋の二度花を咲かせてくれました。この植物はシャボテンの仲間。暑かった夏の日が幸いしたのでしょうか。夜の9時ごろにピンとしたうえ向きの花を咲かせながらその優雅な姿を見ることができるのはせいぜい三時間。翌朝にはだらんとしおれてまことに無様な姿をさらします。 4.  月下美人(65%).jpg

    月下美人(2011/11/2)

     せめてもう一夜張り切りってくれないかなあと思いをめぐらしながら見ています。この月下美人、鉢植えだったのを昨年地植えにしました。それもたくさんの花を咲かせてくれた原因のひとつだったでしょう。しかし冬の間の寒さをどう越すか。ビニールハウスをこれにかぶせて、北風を避け、まあ温度には耐えられるだろうと考えたのが誤り。ことしの冬はとりわけ寒く、株がすっかり枯れてしまいました。それならもっと完全なハウスにいれてやればよかったと悔いても後の祭り。根は残っているはずだがとこの春新芽の出てくるのを期待しているのですが、いまだにその兆候は表れません。このままだと今年は月下美人の鑑賞ができなくなるかも。

     最近咲いたあやめももう終わりました。これも小規模ですが昨年は根を掘り起こして腐葉土を入れ手厚く看護したのが実って今年は久しぶりに紫色の可憐な姿を見せてくれました。プランターの苗よりもやはり地植えのもののほうが元気がいいようです。 5.  あやめ(30%).jpg

    あやめ(5月13日)

     そしてカサブランカの茎がずいぶん大きくなってきました。やがてあの妖艶な花を咲かせてくれるでしょう。

     ご存知のようにヨーロッパでは花を飾ることが盛んです。とくにスイスのシャレーに見られる花台の赤い花は印象に残ります。それを見習って我が家も二階の花台にゼラニウムの鉢を置いていますが、これまでのものが大分高齢になったので過日花屋で見つけた鉢を買ってきました。今年人気のアメリカーナという品種です。 6.  ゼラニウム(30%).jpg

    ゼラニウム(4月20日)

     お値段も大変よく、一鉢1,300円というのを1,000円にまけてもらいました。しかしお値段通りのしろもので鮮やかな赤色が大変印象的なばかりでなく沢山の花を次々と咲かせてくれています。

     91年、隣地にマンションが出来てから庭の様子がずいぶんと変わりました。水脈が変わったのでしょう。エビネは私の好きな花だったのですが、最近は花が咲かなくなりました。この対策を今模索中です。狭いながらも庭での花作りは楽しいもの。花の盛りを楽しむだけでなく、昨年の作業がどのように反映されるかなという楽しみと期待、不安。 7.  エビネ(75%).jpg

    エビネ(1990年3月)

     そして芽をだしてからつぼみが次第に大きくなって花を咲かせる過程をみることができるのがうれしいのです。小生の花作りは寒いのはダメ、暑いのはダメ、虫はイやなどずい分いい加減なものですが、それでもすこし細かく手入れをするとかならず反応があります。子供を育てるのも、ペットを飼うのもなんでもそうなのでしょう。すべての社会が人工的な快楽環境を求めて動いているなかで、花を愛でるというのは人間の奥深くに残っている自然への郷愁がなせる技なのでしょうか。

    2 Comments »
    1. 斎藤さんのBlogは何時も多彩な記事で楽しんで居ますが、今度は広いお庭の四季の花々で流石と拝見しました。
       私も花好きですが、マンション1Fの狭い庭とテラスの中でどの様にするか何時も悩む所です。だた月下美人の地植えにあっと驚きました。私も2株育てて毎年咲きますが、この様には咲きません。しかし記事を拝見すると問題も在る様で、また当方の状況報告も致したいと思います。

      コメント by 小林 凱 — 2012年5月21日 @ 21:29

    2. ご自宅の広い庭で、桜や様々な花を育てておられる様子が楽しそうですね。
      私はマンションのベランダでプランターの花を眺めています。母が生存中は熱心に色々な花を育てていましたが、76才で急逝してからは、生命力の強いゼラニュームが生き残りました。ここ数年は、家内が退職して少しづつ花の種類が増えてきました。桜は、南武線の向かい側にある富士通ゼネラルの並木を借景で楽しんでいます。

      コメント by 大橋康隆 — 2012年5月22日 @ 19:51

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