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  • カメラ思い出話(その2)/大曲恒雄@クラス1955

     1995年3月カシオのデジカメQV-10(写真1)が発売され、大ヒットとなった。


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    $00A0(写真1) QV-10

     画素数は25万画素しかなかったが、背面に液晶画面を搭載したことがデジカメとしての個性を際立たせた。内蔵メモリーに最大96枚まで記録可能で定価65,000円。
    当時のことを回顧した雑誌記事によるとQV-10は特に飲み屋で大人気だったそうで、グループ内で撮りあいっこしたり、隣席のギャルを撮ってあげると言ってお近づきになったり・・・という新しいライフスタイルを生み出したらしい。デジカメ時代が華々しく始まった。

     小生はまだこの頃はデジカメにそれ程興味が無く、QV-10についても殆ど知らないが、1997年の暮れにフジのDS-20というカメラを入手しデジカメライフをスタートさせた。ただこのカメラは小生のデジカメ1号機というだけでそれ程活躍することなく、1年後キャノンのPowerShot A5 Zoomを買う時に下取りに出してしまった。この頃は(その1)に書いたようにまだAPSカメラ(主にIXY)が主体で、デジカメは脇役的存在だった。

     本格的にデジカメを使い始めたのは1999年秋にニコンのN-950(*1)を買ってから。このカメラは双眼鏡の2つの胴が独立に動くような独特のスタイルをしていて、一方の胴にレンズ系、他方にファインダーと処理系が入っていた。低い位置の被写体(小さい子供やペットなど)を撮すには、相手の目の高さにレンズを持って行くのがベストと言われているが、このカメラは孫がハイハイを始めてヨチヨチ歩きする頃までを撮すのには最高だった。
     (*1)http://kakaku.com/item/00501610206/images/

     N-950はそのユニークなスタイルと、当時としては非常に優秀な性能(ただし画素数は210万しかなかった)からデジカメ初期の名機であったと言える。インターネットを見ていたら「5台買って押し入れに仕舞ってある」という書き込みが見つかった。小生は次の機種に切り替える時に売ってしまったが、今から考えると勿体ないことをしたと後悔している。
     この後、かなり頻繁にカメラを買い換えて行ったが、その際いわゆる下取りではなく中古品の買取制度を利用した。下取りの場合は“雀の涙”ほどにしかならないが、中古品買取りの場合は条件が整えばReasonableな価格で引き取ってくれる。小生が“愛用”しているのはソフマップの通信買取制度で、買取上限価格が同社のホームページ上に表示されており、事前調整をしてから幕張にある通信買取センターにモノを送ると査定して結果を連絡してくれる。モノに欠点がある場合や構成品が欠けている場合は減額されるが、そうでなければ上限価格で売ることができ、新機種への切り替えのための負担を減らすことができる。

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    $00A0  (写真2)
      IXY$00A0 Digital

     N-950の後、“孫カメラ”の主役はキャノンPowershot G2を経て2003年にコニカミノルタのDiMAGE A1に移った。このカメラは500万画素になったことの他に液晶画面が可動式になって低い位置にカメラを構えることが楽になったこと、更に手ぶれ補正が付き、ズームが7倍になり、となかなか魅力的なカメラであった。1年後に出たA2は800万画素となり、更に高機能化されていた。
     一方、キャノンのIXYがデジカメとなり(写真2)、どんどん進化して行った。前にも書いたが、2000~2004年のヨーロッパツアーではメインがビデオカメラ、サブがIXYという役割分担(?)で小生の撮影行をサポートしてくれた。
     画素数が1000万を超えた頃だったと思うが、あるカメラ雑誌に「デジカメはフィルムカメラを越えられるか」という趣旨の誌上討論会が掲載された。何人かの著名写真家が意見を述べていたが、大多数の意見はNegativeであった。プロの立場でもその後のデジカメの発展は予想できなかったということだと思う。

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       $00A0(写真3)
    $00A0 EOS Kiss X2

     2003年にキャノンからEOS Kiss Digitalが発売された。EOS Kissというカメラはもともとフィルムカメラのヒット機種(小生は全然知らないが)だったようで、それが時を経てデジカメに生まれ変わり、それからほぼ毎年新機種が発売されるようになった。最初はフィルムカメラと区別するために型名に“Digital”が付けられていたが2008年のEOS Kiss X2以降は省略され、本家の座を奪ってしまった形となっている。(写真3)はKiss X2のパンフレットである。
     コンパクトデジカメ(コンデジ)を“卒業”して一眼レフを使い始めた層向けのカメラ群をエントリー機種と呼んでいた(*)が、EOS Kiss シリーズはエントリー機種の中でも抜群の人気を誇りトップの座を殆ど独占していた。
     
     (*)最近はミラーレス一眼が普及したためか、この分類は使われなくなったようだ
     小生は2005年のKiss Digital Nからこのカメラを使うようになった。(その1)に書いたアサヒペンタックス以来実に久しぶりの一眼レフ回帰である。一眼レフでは撮す直前の生の映像をファインダーを通して見るわけだが、この“素通し感”が一眼レフの醍醐味である。2010年のKiss X4までは毎年フォローしてきたが遂にこれで打ち止めとした。主な理由は重さで、カメラにズームレンズを付けると1Kgをかなり越えるため担いで歩くには少々重いと感じるようになったため。

     思い出話に未来形が混じるのは少々妙だが、これからは軽量、コンパクト、且つより高性能のカメラで撮影を楽しみたいと考えている。 

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