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  • パソコン今昔物語 (その2:ビデオ編集)/森山寛美@クラス1955

     以前,大曲兄から同窓会のヨーロッパ旅行で撮ったビデオを配布して喜ばれたという話を聞いたことがあり,また友人がゴルフにビデオカメラを持ってきたことなどが刺激となり,ビデオカメラを入手したのが事の始まりです。

    ビデオ編集用パソコン時代
     小生がビデオに手を染めたのは,ソニーが「メガピクセル・ハンディカム」をテレビ・コマーシャルでよく流していた1999年です。当時のビデオ環境は,磁気テープにDVフォーマットで記録された撮影データをパソコンの編集ソフトにキャプチャー機能で取り込み,編集後にテープに戻す,または編集後DVDに焼き付けてテレビで見ていました。ビデオ編集を始めた当時のパソコンはIBM PC300PL,CPUはPentium II (450MHz),OSはWindows 98でしたが,DVフォーマット(640×480ピクセル)約10分の作品の書出しに時間のオーダーが必要でした。編集は一度で完成することはありませんので,大変な労力と忍耐を必要としました。
     2005年にソニーが発売した家庭用?ハイビジョンカメラHDR FX1,ついでHDR HC1をきっかけにして,HDVフォーマットテープ記録によるハイビジョン化競争が始まりました。さらに2009年にはAVCHDフォーマットによるハードディスクまたは半導体記録に移行し,現在では半導体記録が主流になっています。この流れに引きずられた形ですが,ハイビジョンを念頭に置いた編集環境の整備に力を入れてきました。エプソンのEndeavor Pro 3100,ついでPro 4300,現在のPro 7000とほぼ2~3年ごとに更新しました。これは,その位のピッチでIntelの関連技術が進化しているからで,CPUはそれぞれPentium IV (1-CPU),Core 2 (2-CPU), Core i7 (6-CPU),またハードディスク記憶装置はRAID0 320GB,RAID0 500GB,RAID0 1TBと強化しました。

    写真3:500GB HDDと300GB SSD.jpg$00A0
      $00A0(写真3)
      500GB HDDと
      300GB SSD

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    HDD/SSD,32-bit/64-bit
     パソコンの記憶装置の主流はこれまでハードディスクHDDで,高速化,大容量化,低価格が進んできましたが,このところ半導体記憶装置SSDが注目されています。SSDは安定になり,大容量化,低価格化が進んで,HDDからSSDへの大きな転換期に入ったように思います。小生も2010年にEndeavor Pro7000のHDD RAID0 1TBにシステム用としてSSD RAID0 160GB (80GB×2)を追加してHDD RAID0 1TBをワークおよびデータ用に変更,さらに2012年にはそのHDD RAID0 1TBをSSD RAID0 600GB (300GB×2)に置き換えました。現在では600GBのSSDも市販されています。(写真3:500GB HDDと300GB SSD)
     SSDに置き換えたときのシステム立上げの速さには圧倒されますが,ワークおよびデータ部もSSDにしたときのビデオ編集用ソフトの立上げの速さには驚かされます。パソコンの性能を測る尺度に「Windowsエクスペリエンス・インデックス」がありますが,現在のマシーンの「Windowsエクスペリエンス・インデックス」はグラフィックスを除けば7.7です(Windows 7で測定可能な最高は7.9,SSDによるプライマリディスクは7.9)。

    写真4:ワークベンチ2012.jpg$00A0
    $00A0  (写真4)
      現在のワークベンチ

     1971年に発表された世界最初のマイコンIntel 4004のビット長は4-bit,1972年に発表されたIntel 8008は8-bitですが,その後16-bit,32-bitを経て現在では64-bitになっています。現在使用している編集ソフトAdobe Premiere Pro CS5は64-bitに最適化されており,32-bitでは約3.5GBまでしか使えなかったメモリーを,8GB (2-ch) ~ 12GB (3-ch)にして,メモリー不足によるフリーズなしでスムーズに作画できるようにしています。ビデオ編集を始めた頃のDVフォーマット(640×480ピクセル)の書出しは時間オーダーでしたが,現在ではハイビジョン作品(1440×1080ピクセル)で作品の長さ以下,つまりリアルタイム以下で可能となっています。これで編集の10回やり直しなども苦にならなくなりました。(写真4:現在のワークベンチ。ノート型はバックアップおよび節電用。18型モニター2台はデスクトップが横に広く使えるので作業が楽)。

    将来の展望
     パソコンで動画を扱うようになってから約10年経ちますが,パソコン,編集ソフト,再生ソフト,インターネット環境など,それぞれの性能が飛躍的に向上し,現在ではハイビジョン動画を扱うのが当たり前になっています。10年前に小さな画面で,精度の悪い途切れ途切れの動画を見ていたことを考えると隔世の感があります。
     パソコンの進化はまだまだ続いており,御用達パソコンもほぼ2年ごとに新機種がリリースされています。これまで新しいものを追い続けてきましたが,現規格での家庭用ハイビジョンビデオカメラも成熟期に入り,撮影行脚も体力勝負になってきたので,次世代ハイビジョンが世に出る前の,この辺が打ち止めの潮時ではないかと思うこの頃です。

    2 Comments »
    1. 1999年にビデオを始められた頃のご苦労はよく解ります。それにしても技術の進展は物凄いですね。HDDからSSDに変えると効果抜群であることを知り、私も少し勉強して導入したいと思います。
      私は21世紀になってデジカメを使用したので、今になって報いが来ました。20世紀にため込んだスライド、ネガフィルム、プリントをスキャナーにかけて、復色、修正などを施して整理しています。遅々として進みませんが、時々すっかり忘れていた写真が出てきたりして記憶を新たにしています。

      コメント by 大橋康隆 — 2012年3月12日 @ 19:46

    2. 私の叔父は16mmのカメラを使って好きな山登りを撮り、親父は初めての欧州旅行でラインくだりなどを8mmフィルムで撮っていました。この時代の編集は切って貼りつける作業。私は一時アナログ、その後ビクターのディジタルのビデオなどいじりましたが、編集が面倒で2002年のカナダ旅行を最後にやめてしまいました。この稿で私の予想以上にパソコンの編集機能が充実していることを知りました。しかし編集機能が充実すれば一見作業は容易になるというものの、それだけ凝りたくなるのが人情。いつもこの欄に登場する貴兄らの細かく気を使われたビデオ編集の意欲には脱帽です。

      コメント by サイトウ — 2012年3月14日 @ 22:58

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