ハルシュタットの風景/大曲恒雄@クラス1955
記>級会消息 (2011年度, class1955, 消息)
オーストリア中部、ザルツブルクの南東一帯には2000m級の山々と沢山の湖が織りなす美しい大自然が広がっており、ザルツカンマーグートと呼ばれている。
ザルツは塩、ザルツカンマーグートは「塩の宝庫」という意味で、岩塩を産出する地方であったため昔からこう呼ばれてきた。塩は「白い黄金」と言われるほど高値で取引され、そのためこの地方はハプスブルク家直轄の御料地として帝国の財政を支えてきた。また、映画「サウンド・オブ・ミュージック」のロケが行われた所としても有名である。
ハルシュタットはザルツカンマーグート南東部ハルシュタット湖の湖岸にある小さな村で、教会の尖塔が湖に映る「逆さ尖塔」を中心とした風景は文字通り絵のように美しいことで知られている。世界遺産に登録されており、ヨーロッパの風景をテーマにしたカレンダーにはよく登場する(右写真)。
2001年6月に訪れた時、村の中心マルクト広場に面した老舗ホテルに一泊した。夕方、ビュースポットの事前確認をしておき、翌早朝湖面の静かな時間帯を狙って撮影に出かけた。チェックインした時、渡された部屋の鍵に別の鍵が付いていたのでロッカー用か何かと思っていたら実はこれがホテル玄関の鍵で、早起きして出かける人は勝手にホテルの玄関を開けて行ってくれということであった。古いホテルなので小さな鍵で玄関を開けるのには苦労したが、その甲斐あって霧に包まれた幻想的な写真を撮ることができた。
ハルシュタットには世界最古の塩坑があり、しかも、現在も操業中だそうだからオドロキである。残念ながら見学の時間的余裕が無くパスした。
湖を見下ろす高台に村の墓地がある。土地が狭く墓地が十分に確保できなかったため、埋葬してから10~20年経った所で遺骨を取り出して墓地の奥の納骨堂に収納し、墓地には次の遺体を埋葬する風習があるそうだ。
いわば墓地のリサイクルである。その際、頭蓋骨には故人の生没年と共にバラの花飾りなど独特の絵が描かれるとのこと。ガイドブックには「この納骨堂は必見」と書かれていたが小生は見学を遠慮した。
小生は2000年から2004年にかけてヨーロッパの9カ国を回り、その度に写真やビデオを沢山撮ってきたが、このハルシュタットが一番気に入っている。この美しい風景がいつまでも損なわれずにいてほしいものである。
2012年1月16日 記>級会消息
懐かしい風景を家内と共に楽しませてもらいました。私達は2000年8月にオーストリアを旅行しました。当時家内が未だ勤めていたので、夏の暑い時期でした。大曲兄の写真と同じ風景を油絵にも描きました。
当時は小生も元気だったので、鉄道を主体にバスを併用しました。ウィーンから列車でアットナンク・プッハイムで乗り換えハルシュタット駅に到着しました。山上の駅から眺めた景色は素晴らしく、湖まで下りて船着き場から船でマルクト広場の方向に向かいました。村中を歩き回って一日中あちこち見物しました。最後にケーブルカーに乗って山上で写真を撮りましたが、塩抗を見学する時間がなく夕暮れになりました。
翌日は船でオーバートラウンに行き、歩いてケーブルカーの乗り場に行きました。地図では近いと思ったのですが意外に遠く閉口しました。標高2,100米の大展望台クリッペンシュタインに登りましたが、小雨が降りだし8月でも寒く、雲海しか見えませんでした。帰りは直通バスがあることを発見して、馬鹿なハイキングをしたことを反省しました。しかし、船から素晴らしい眺めの写真を撮影できました。
コメント by 大橋康隆 — 2012年1月16日 @ 16:10
美しいハルシュッタットの風景を懐かしく拝見しました。私もこの地を2007年に訪ねて深い印象が残っていますが、それを湖面に教会の鐘の音も併せて紹介されて感謝です。広場や土産物店も貴兄の6年後で変わっていませんでした。
私はこの時ザルツカンマーグートの他の湖や町も併せ訪ねたので、またこのBlogで紹介したいと思います。
コメント by 小林 凱 — 2012年1月16日 @ 21:17
いつもながらの映像、とくに朝霧のハルシュタット湖いいですネ。摩周湖を上回ります。朝早くから長い時間をかけてこんな映像を撮るにはよほどの気力がないと。脱帽です。ザルツは塩の街。小生は塩抗まで行きました。ハルシュタットの街からケーブルカーで山に上がり、入口で緑の坑内服を着せられてトロッコで坑内に入り2時間ほどのツアーが始まります。確かに今でも塩を産出していますし、中には塩抗が出来た経緯を紹介する展示なども。また15mほどの落差の滑り台があってそれを時速28Kmのスピードで滑り降りるスリルはなかなかでした。静かなハルシュタットの街並みは今でも印象に残っています。小林さんのレポートをお待ちします。
コメント by サイトウ — 2012年1月17日 @ 09:14
ハルシュタットはヨーロッパの観光地としてそれ程ポピュラーな所ではないだろうと思っていたので、3人もの方から「懐かしい」とのコメントを頂いて少々ビックリしました。
我が1955クラスの諸兄は旅好きが多く、世界中を“荒らし回っている”(失礼!)のではないかと思うほどです。
小林兄のザルツカンマーグート・レポートを期待しています。
コメント by 大曲 恒雄 — 2012年1月17日 @ 10:33