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  • ナパバレー/斎藤嘉博@クラス1955

      9月1日付、武田兄の「英国産ワインの話」ナルホドと拝見。ジョニクロがあるのにワインのない国。あの緯度でワインのないのは当然と思っていましたが、氷河期以前にはワインがあった!私の脳の回路に新鮮な風を吹き込んでくださいました。


    それにしてもマンモス象がワインで酔っぱらいながら歩いている姿を想像すると笑いがこみあげてきます。そして昨年度の国際ソムリエコンク―ルで優勝したのがイギリスのジェラーどル・バッセ氏というのもちょっとした皮肉です。お礼に今日はワインのお話。

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      アメリカのワインと言えばナパバレーと相場が決まっています。6月下旬にロッキー山を散歩した帰りにナパバレーに寄ってきました。サンフランシスコのダウンタウンからベイブリッジを渡って、UCバークレーの際を走って1時間でナパバレーの南端ナパの街に着きます。ここから谷にそって北の方40Kmほどの谷間をオリエンタル急行紛いのワイントレインが1時間かけて走り、この間にダイニングカーでのワイン付き昼食になります。アントレーはサーモン、ポーク、チキンなどお好みに応じて。それぞれにソムリエ推奨のワインがあるところがミソでしょう。私は飲めないくせにローストビーフに2007年のカベルネソヴィニヨンを所望。酔って赤い顔でもまづいのでグラス3/4で遠慮しましたが、大変いい香りのカベルネでした。
      
      
      
      
      飲めない私にとってのワインの魅力は香りの楽しみ。ホントニ銘柄ごとに香りが違います。もちろんどのお酒でも、日本酒でもジョニクロでも香りが生命ですが、ワインほどその香りがバラエティーに富んでいるものはないでしょう。日常口にする季節のフルーツ,たとえばリンゴ、桃、ナシといった普通の果物でも一粒一粒その味がひどく違います。産地の気候、土壌はもちろんどの枝になったのか、ちょっとした日当たり風当りの具合がその原因なのでしょう。ブドウもクダモノ。品種はもちろん気温の変化、土壌、日照など沢山の要因が香りをはぐくみます。ナパの気候はやや暑めながら夏、サンフランシスコ寒流が作り出す太平洋の霧が大きな影響をしていると言います。ブドウ畑の仕立て、風の通り道が海風の通りやすい方向か、山風の通る方向かによっても実りがちがいます。そして最後にブレンドの手腕。このあたり近くにはソノマ、モントレーなどブドウの産地があってそれぞれに名をなしていますがやはりナパが主流。
      
      トレインの終着ラザフォードでGrgich Hillsワイナリーを見学。ここでのテースティングは先のカベルネソヴィニヨンのほか2006年、2007年のシャルドネ、2006年のメルローなどワイナリーおすすめの五種のワイン。ナパのシャルドネは私の好きなブランドで、ソムリエによればパイナップル、桃、洋梨、白胡椒などいくつもの独立な香りを嗅ぐことが出来るそうです。南国のワインは黄色の果物、マンゴ、パイナップル、パパイヤなどの香りだとか。素人の私にはとてもそんな詳細なかぎきき分けはできません。まあ「ウーンいい香り」という程度でお終い。視覚、色の感覚は色度図ができてかなり定量的に表現できるのに、味覚、臭覚のほうはまだ大変幼稚です。帰りは同じトレインのパーラーカーでデザートのチョコレートケーキを楽しみながら、ワインの香りを懐かしみながら。
      このところチリのワインがずいぶんたくさん出回っています。アンデスバレーなんていう銘柄も見つけました。チリのワインは安いし、その割には美味しいものもありますのでお勧め。イギリスになくてもワインは世界中で作られています。これまでにフランス、ドイツ、スイスなどいくつかのワインセラーを訪ねましたが今回の旅はトレインというショーのためになんとなく豊かな一日でした。

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