シヨン城/大橋康隆@クラス1955
記>級会消息 (2010年度, class1955, 消息)
初めてスイスのシヨン城(Chateau de Chillon)を訪れたのは、1968年6月にジュネーブで開催されたCCITT(国際電信電話諮問委員会)に出席した時の週末である。
以後数回訪れたが、定年後1998年7月に家内と訪れた時は快晴に恵まれた。城の内部を見学し、遊覧船に乗ってレマン湖からの風景の写真も撮影するなど、じっくりと探訪した。
最近は、海外旅行もしんどくなり、油絵の題材を昔の写真から探し出している。欧州旅行は、スイスが一番多く、美しい風景が沢山あるが、いずれも立派な絵葉書や写真集になっている。同じ風景でも、季節や天候、撮影場所により、微妙な変化があり、それぞれの美しさを競っている。それらの中で、最も好きな風景はシヨン城である。
昨年10月に下北沢のNEC年金基金会館で開催されたNEC OBパレット会に、8号の油絵に描いて出展した。(油絵1) この方角から描いたシヨン城は、背景が素晴らしいので、静謐な感じが良く出ていると好評であった。思いきって50号の油絵に描いて、今年の9月に上野の森美術館で開催された新構造展に出展した。 | |
油絵1(シヨン城)
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新構造展は、例年6月に東京都美術館で開催されてきたが、今年と来年は改修のため上野の森美術館になった。会場の都合で100号の作品の出展は不可となったが、作品の製作負荷は軽減された。
今年2月、有楽町駅前の交通会館2Fのギャラリーで開催された新構造春季会員展には、反対方向から眺めたシヨン城を6号の油絵に描いて出展した。(油絵2) 通常、この方角から眺める機会が多く、人物の記念写真を撮影するには適している。空の面積が広く単調になるので、プロの芸術家の方々は夕焼けや雲を背景にして変化を導入するが、小生の技量では旨く描けない。 | |
油絵2(シヨン城)
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1998年7月にシオン城を訪れた時は、内部もゆっくり見学したので、その様子を(写真1、2、3)に示す。
城の岩盤からは、青銅時代の遺品も出ており、古代ローマ人も居住していたようで、城壁が建設されたのは9世紀という話もあるが定かでない。 | |||
写真1(城の内部)
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写真2(城の内部)
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写真3(城の内部)
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13~14世紀の最盛期に大幅な増築や改築が行われ、その後も色々改良されて、内装は整備されている。バイロンの「シヨンの囚人」が有名で、暗いイメージを思い浮かべるが、神秘的な美しさは素晴らしい。
教養学部理科一類の英語の授業で、初めてChateau de Chillonという言葉に遭遇したが、当時はこのように美しい城であるとは想像も出来なかった。
シヨン城を訪れた後、モントルー(Montreux)から登山電車で裏山の町グリオン(Glion)まで登り宿泊した。
翌日、登山電車で更にロッセ・ド・ナイユ(Rochers de Naye)まで登った。残念ながら霧がかかり、期待していたモンブラン、マッターホルン、モンテ・ローザのパノラマ写真を撮影することは出来なかった。がっかりしてグリオンに戻り、宿泊した。翌朝、登山電車でモントルーへ降りる際、シヨン城を高い場所から撮影した。(写真4) | |
写真4(シヨン城全貌)
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曇っていたので、鮮明ではないが、シヨン城の全貌と周辺地域の関係がよく判る。気に入った写真を撮影するには、同じ場所に長期滞在するか、何度か訪れることが必要であると痛感した。(2010年12月18日記)
2011年1月1日 記>級会消息
小生の投稿に寄せて下さったコメントの中で、大橋兄が「点描画」に言及されています。それを読んで久し振りに又、大橋兄の画を身近に見たくなりました。再三お招きを頂きながら、まだ一度しか展示会に足を運んでいません。昨年秋の二度の機会も、風邪を引いたりして逃してしまいました。今年こそは・・と思っています。懲りずに、案内状をお送り下さる様お願い申し上げます。
コメント by 寺山進 — 2011年1月8日 @ 15:22