ブルーノート・ジャズ/大曲恒雄@クラス1955
記>級会消息 (2008年度, class1955, 消息)
本箱の整理をしていたら奥の方から「全ブルーノート・ブック」という本(資料1)が出て来た。すっかり忘れていたが、S.59/5/11購入とのメモ書きや赤鉛筆の書き込みなどがあり25年前の思い出が蘇ってきた。
ブルーノートは1939年アルフレッド・ライオンが創始したレーベルである。若手、新進のジャズ・ミュージシャンに積極的に録音の機会を与えてレコードデビューさせ、結果的に膨大なレパートリーを持つ史上最大のモダンジャズ・レーベルとなった。
ブルーノートには数多くの名盤があるが、小生の独断と偏見でベストスリーを選んでみると
http://www.emimusic.jp/jazz/bnjf/special/kareha/index.html
(資料1)によると、アルフレッド・ライオンはレコード化についてのこだわりが特別強い人だったようで、自分の気に入る録音が採れるまではレコード化を認めず何度も録音のやり直しをさせたらしい。その結果、会社の倉庫には未発表録音テープの山が築かれて行った。
後に、この宝の山の“発掘”が進められ、幻のバージョンが日の目を見ることとなる(上記の「枯葉」もその一つ)。
更に近年、“当時の録音を担当したエンジニア本人が最新のディジタル化技術を駆使して24ビット・リマスターリングを行う”という夢のような企画が実現し、2007年から「新・ブルーノートRVGコレクション」というシリーズが発売されている(資料2)。このシリーズでは、上記(1)は「クール・ストラッティン+2」、(2)は「モーニン+2」、(3)は「サムシン・エルス+1」として、それぞれボーナストラックが追加され発売されている。
上記の3枚が録音されたのは何れも1958年、既に50年以上経っている。しかし上に述べたような新しい試みなどもあり、録音された時の生々しい雰囲気を味わうことが出来るのはジャズファンとして大変嬉しいことである。(資料2)には、録音エンジニア、ルディ・バン・ゲルダーの「ディジタル技術は日進月歩で進歩し続けているので、当時より現在の方が更に良い音になっているはず」とのコメントが紹介されている。
今年はブルーノートがスタートしてから70周年にあたる記念の年、種々の記念行事が計画されているようで、ブルーノート・ジャズへの関心が一段と高まることが期待されている。
(資料1)ジャズ批評 別冊「全ブルーノート・ブック」ジャズ批評社 S.59/3/30
(資料2)「ジャズ読本2009 SwingJournal 12月臨時増刊」スイングジャーナル社 H.20/12/15
2009年1月12日 記>級会消息