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  • クラス1953新(昭28新)

    【視力障害に挑戦 (1)ー自作読書器ー/錦織 孜】

    両眼とも加齢黄斑変性症だと宣告されて12年になる。初期発見で先端治療を受け続けてきたが、次第に悪化してきた。今左眼は0.04、右眼は0.1の視力となった。新聞、雑誌、書籍などまとまった記事が読めなくなって2年を越した。不自由ではあるがいろいろ工夫することでなんとか楽しく暮らすことができた。あまり参考にはならないだろうが紹介してみよう。

    「拡大読書器の自作」
     先日家電量販店のビデオコーナーで何気なくカメラに 手を伸ばした。レンズに相当近づいても拡大された手がはっきり見える。カタログの小さな文字をレンズに向けて映し出してみた。自動的に焦点が合って読めるのではないか。

     今年初めからコンパクトカメラ、一眼レフを使って読書器が作れないものかといろいろ試してきた。書類を撮影し、カードにに録画したデータをパソコンに送ってソフトで見ることはできるが、読めるまでに、カメラの位置、ズームの度合いなどの調整を何回も繰り返す必要があった。リアルタイムに設定してみることができなかった。Webカメラならリアルタイムに見ることができるソフトがついている。購入して試したが、画像が暗くて、相当明るい補助光が必要であった。解像度が低く周りの景色を見るには良いが、文字をきちんと判別して読める状態ではなかった。(以下すべての画像をクリックして拡大できます)

    購入した ビデオカメラはワイド側でF1.8と明るく普通の明るさの状態でも使える。三脚は資料台の横に置くため、斜め下方向にレンズが向く。そのため書類の左側と右側の映り具合がやや異なるが、使用は可能である。横から写して上下方向を保つように画面を寫せるようにカメラを雲台に設定する必要がある。カメラの向き、高さ、ズームの度合いを総合的に調整する必要がある。三脚ではカメラ、パソコンの調整にルーペが必要で、腰痛持ちの自分にはきつい作業であった。ディスプレイは書斎で使用している古いテレビを兼用した。(写真1 試作1号器と現用のルーペおよび、携帯用読書器)

    知人から接写用小型三脚のアイデアをもらい、ネットで探し四国のメーカーから購入した。伸縮可能で上下左右に角度を変えることができアーム先に雲台がある。資料台のほとんどの位置で同じ高さでカメラを垂直に保つことができる。三脚は強力両面テープで固定できた。使い勝手の良い拡大読書器ができた。携帯用読書器では手書きがうまくいかず悩んでいたが、この読書器では小さな字でも手書きができた。制作費用は一般製品の4分の一以下ですんだ。(写真2 改良器:接写用三脚を使用)

     この新作の読書器でゆっくりと本を読みたいと思っているが、今は2,3ページで完結するマニュアルの一つの章が限界である。裸眼もしくは老眼鏡でさっと読めるようなレベルではないので、つい改良・調整の方にのめりこんでしまう。何のために作ったのか。目的は読書なのに、使って便利だと思える方向に時間を割いているようだ。これも自分の性なのかと思う日々である。

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