新任のご挨拶/五十嵐浩司
2007年4月1日付けで新領域創成科学研究科基盤情報学専攻の講師に着任いたしました。私は1997年に横浜国立大学工学部電子情報工学科を卒業した後、東大電気系に大学院進学いたしました。神谷・土屋研究室で御指導いただき2002年に博士課程を修了いたしました。その後、古河電気工業株式会社に2年半勤務し、2004年から東大に戻り、先端研(当時)の菊池研究室の特別研究支援員、東大電気系COEの特任研究員としてお世話になりました。東大博士課程時代から一貫して光波の超高速性に注目した研究に従事しており、光ファイバ圧縮の極限追究という基礎科学的な研究から100 Gbit/s超級光ファイバ伝送システムの構築と言った工学応用研究まで経験させていただく機会を得ました。
自分の履歴を辿ってみて痛感いたしますのは、御指導頂いた先生・上司の皆様に非常に恵まれたと言うことです。大学院では土屋昌弘助教授(現NICT)から研究者としての基礎を一から学びました。私のベースはこの時に身についたものと思っております。その後、古河電工では、並木周氏(現AIST)のもと自由な環境を与えてくださり、のびのびと研究開発に専念することができました。その時、ベル研やMITの研究者とも議論する機会も与えてくださり、世界的な視点で研究することの重要性を肌で感じたことを思い出します。そして、東大に戻った後は、菊池和朗教授の御指導の下、研究の深遠さと面白さを再認識することができました。
以上の様に、研究者にとって周りの人々とのインタラクションが極めて重要であることが明らかです。そして、今まで先輩がたから与えてくださった以上の何かを学生に残していくことが、これからの自分の責務であると思うと、その重大さに身の引き締まる思いを感じてやみません。まだまだ試行錯誤の連続で若輩ゆえに至らない点も多々あると思いますが、ご指導・ご鞭撻を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。
(平成9年横浜国立大学電子情報工学卒 新領域創成科学研究科 基盤情報学専攻講師)