東京大学電気系同窓会の皆様へ/小林久志
拝啓
新春の候、ご健勝にてご活躍の事と拝察申し上げます。私は昭和36年東大電気工学科を卒業し、長年IBM研究所及びプリンストン大学にて勤務後、昨年四月よりFrieds of Todai, Inc.(FOTI)の理事長を勤めております小林久志と申します。この度、情報理工学系研究科電子情報学専攻長の浅見徹教授のご紹介で、皆様に書面にてご挨拶致す機会を頂き誠に感謝しております。
FOTIは四年前に東大前総長の小宮山宏氏の発案で、東大と米国の主要大学との学術交流を通して東大の国際化を推進する目的で、米国におけるNon-Profit Organization として設立されました(FOTIについて)。常勤のスタッフは持たず、私を初め全役員当然無給でこの幼い組織を運営しております。
FOTIの活動はやっと昨年から軌道に乗ったところであります。具体的には、日本研究に関する東大とイェール大学との交流プログラムや、東大とバークレーの物理学科の村山斉教授をリーダーとする宇宙に関する物理と数学の研究プログラムに、僅額ではありますが研究助成金を付与し、若手の研究者、学生等の日米間の渡航費や、学会参加のための費用の負担をお手伝いしております。更に昨年の夏は東大の学生6人に奨学金を付与し、バークレーやイェールでのサマー・プログラムや英語研修コースで勉強して貰いました。またバークレーの学生3人とイェールの学生一人を東大でのサマー・プログラムに派遣し、MITの学生3人を東大でのサマー・インターン研究生として送りました。これらに関しては、私共のニューズ・レター(メール・マガジン)の9月号と11月号(第3号)、および2011年度報告書に報告しております。
上記年度報告書冒頭の濱田純一総長のご挨拶、およびメール・マガジン冒頭の東大理事 (卒業生室長)江川雅子氏のご挨拶にもございますように、知識社会の到来により、グローバルな大学間の協力と競争が重要な課題であり、東大もその国際化に励んでおります。将来の国際社会における日本の政治的影響力および経済的競争力を考えますと、東大で学ぶ私達の後輩の一人でも多くが、将来グローバル・リーダーとして活躍できる人材に育ってくれる事を心から願って止みません。明日の米国社会でリーダーになる優秀な若者達が日本に強い関心と好意を持ってくれる事も大切であると思います。
積極的に海外で学び自分の能力を最大限に発揮する意欲に燃える若者を激励するプログラムの強化が今後益々望まれますが、残念ながら人材育成のプログラムの予算は、昨今政府機関でも企業レベルでも削減されているようであります。それ故にこそ、「明日のグローバル・リーダーを目指せ」を標語に掲げるFOTIの活動の意義は大きいと信じます。これまでの二年間は、米国シンテック社及びNY銀杏会の有志の皆様からのご寄付で活動を進めて参りましたが、今後はFOTIの支援者のベースをもっと広げ、東京大学電気系同窓会や他の東大卒業生グループのお力も借りて、より多くの後輩たちの育成に貢献したい所存でございます。
FOTIのキャンペーンも三年目に入ります。つきましては、電気系同窓会の皆様にもFOTIの目的を深くご理解頂き、ご支援を賜りますようお願い申しあげます。オンラインでクレジット・カードにて迅速、容易且つ安全にご寄付を承る体制も整えました。FOTIの銀行口座への電信振込みも可能でございます。これらの手続き一般に関しては「ご寄付」のページをご参照下さい。
FOTIのニューズ・レター(メール・マガジン)はウェブサイトにある登録用紙に記入して頂ければ、次号からお手元に届きます。
尚2011年度の夏季スカラシップ及び研究助成金への応募要項は近々ウェブサイトに掲載致しますが、多くの優秀な東大生、及び米国大学、研究所と共同研究を行っておられる先生方からの応募を願っております。詳細は「研究助成金と奨学金」のページをご参照下さい。何かご不明な点がございましたら、ご遠慮なく小林迄 hisashi@princeton.eduまでメールにて、或いは電話212-977-1897(米国)にてご連絡下さい。
書面のみでのご挨拶とお願いで誠に恐縮に存じますが、よろしくご協力お願い申し上げます。
2012 年1月吉日
(FOTI理事長)