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  • ≪特別寄稿≫1955ブログ開設10周年に寄せて/渡部直也@クラス1975

     渡部直也(@ブログ支援担当、クラス1975)と申します。(私は学生時代に卒論で故秋山稔先生、就職で故大越孝敬先生に大変お世話になりました。)

     先日、高橋郁雄さんからメールをいただきました。件名「特別寄稿のお願い」とありました。そう言えば、あれからもう10年になりますか。大曲さん、高橋さん、ブログ開設10周年おめでとうございます。このクラス1955ブログに特別寄稿させていただけることを、大変光栄に思います。
     1957年以来、電気系同窓会では毎年会報冊子を発行してきました。その後半世紀を経て、新たなICT環境・技術の進展に呼応すべく2007年、同窓会Webサイトが構築され運用を開始しました。その後、クラス毎の情報発信を支援する仕組みとして、約53件のクラスブログ等が立上りました。その中の一つが、皆さまのクラス1955ブログです。多くの皆さまが編集や投稿に関わり、皆さまの歩んできたそれぞれの道、経験してきた歴史、ちょっと力を抜いたエッセイなど、珠玉のブログ記事が満載です。素晴らしいことです。
     振り返れば、10年前の2008年7月のクラスブログ開設に際し、本郷工学部2号館でのブログの講習会に大曲さんと高橋さんのお二人が参加されました。私がブログの操作法を説明すると直ぐにお二人から熱心に質問がありました。なんでも、数年後に迫る「卒業後55年会」に向けて、このクラスブログを活用したいとのこと。ただ当時、ブログに対して皆さまの反応は様々だったかと推察されます。ブログを未知のものへの挑戦と捉えた武田さんは初期の記事に「ブログというものは、最近、よく聞くけれども、どういうものか殆ど知らないので、面白そうだから、大曲君の提案に賛成したら…」と綴っています。
     他のクラスも同じ時期にブログを立ち上げましたが、記事件数は多いところでも累計50、60件といったところです。クラス1955ブログが他に比べて抜きん出ているのは、クラス1955ブログをけん引する大曲さんと高橋さんの編集ツートップ体制、そして大勢の皆さまの著述への強い意志、が大きかったと思います。その結果、20名を超える皆さまの努力の賜物として10年間で900件近い記事を掲載する珠玉のブログ空間が生まれたのではないでしょうか。
     このブログ空間には皆さまの貴重な知識、経験、技術、歴史などが蓄積されていると言って過言ではありません。これまで培ってきた専門分野での高い見識を背景とした技術者の目から見た日本高度成長の記録、仕事や交友の中からのエッセイ、その一方で世界を股にかけての旅行記、写真や音楽などの豊かな趣味の記録、どれもが素晴らしい記事ばかりです。
     印象に残った記事を一部挙げると、私の好きな上野国立科学博物館を語る齋藤さんの記事。「隣の別荘?にパソコンまで持ち込んでしまったので、これまでの私の部屋は空っぽになってしまいました」と隣の別荘管理を地域の仲間と共に楽しむ小松さんの記事。マスコミの偏向をいち早く察して疑問を提示するなど示唆に富む「近頃思う事」の沢辺さんの記事、などなど。
     その中で特に印象に残った記事は、寺山さんが5年ほど前に連続投稿された「ミッドウェイ開戦-旧友南雲忠彦君を偲ぶ-」です。日本の近現代史で南雲といえば1942年に大敗したミッドウェイ海戦を指揮した南雲忠一海軍中将を指します。数々の内外の歴史家や小説家に批判された軍人です。例にもれず私も、南雲中将にはいい印象は持てず、その後サイパン玉砕で自決したのも何か必然のようにすら思っていました。
     しかし、寺山さんの記事を読み、南雲中将のご家族、関係者の証言を知ることができました。授業での忠彦さんとの出会い、南雲宅での新たな話、忠彦さんの結婚式、ハワイでの米国海軍退役軍人との出会い、など目を見張る話題。それらから寺山さんが独自に導いていく南雲中将の新たな評価。現代に通じる日本企業の組織論。記事を読み終えて、歴史とは何かを改めて考えさせられました。
     大分細かい話になりましたが、一言。いぶし銀の如く輝くこのブログ空間を今後とも是非継続していただければと思います。これまで通り、私も微力ながらご協力いたします。ただ、今後の継続には難しい課題もあるかと推察いたします。皆さまの議論を踏まえて、これからの進め方を判断されるかと思います。その過程で、私で何かできることがあれば喜んで対応しますので、お気軽にご相談下さい。
     改めて、クラス1955ブログの10周年、おめでとうございます。クラス1955の皆さまの益々のご健勝とご発展を祈念いたします。
    1件のコメント »
    1. もう10年にもなるのですネ。この間に東北の大震災と原発事故があり、2回のオリンピックがあり、スマホが若い人の間に定着し。それにしても次第に世間とのつながりがうとくなる年寄りにとって、このブログ欄は社会への窓でした。なかなかお会いすることの難しい諸兄の様子を知ることができ、さらに小生の勝手なつぶやきを書かせていただけたことは大変な幸せだったと思います。何事にも五重塔のようにしっかりとした心柱が必要。ここに特別寄稿をいただいた渡辺様と編集に当たられてきた高橋、大曲お二人の明るい未来感とご努力に最大の敬意をお払いする次第です。

      コメント by サイトウ — 2018年8月1日 @ 20:33

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