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  • ヴィアンデン城/大橋康隆@クラス1955

     2004年8月に、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクのベネルクス3ケ国を、油絵の題材を求めて旅行した。


    ルクセンブルクを訪れたのは今回が初めてで大いに期待をしていた。なかでもヴィアンデン城が最も印象に残っているので紹介する。

     8月22日朝、ルクセンブルク中央駅を出発し、約40分列車で車窓から緑の美しい景色を眺めながら、エテルブルク(Etterbruck)駅に到着した。ここからバスに約30分乗ってヴィアンデン(Vianden)に到着した。バス停から約5分で城に到着すると案内書には書いてあったが、途中で写真を撮ったり、且つ坂道が老体には結構応えた。 7油絵1ヴィアンデン城.JPG

    油絵1:ヴィアンデン城

     しかし、ウール川から眺めるヴィアンデン城は素晴らしく、駆けずり回って写真を撮り、帰国後早速8号の油絵を描き、翌年1月に有楽町の交通会館で開催された「本明会展」に出展した。(油絵1)
    7写真1ホテル・ユーゴー.JPG 7写真2ユーゴーの胸像.JPG 7写真3登り坂からの城.JPG

    写真1:ホテル・ユーゴー

    写真2:ユーゴーの胸像

    写真3:登り坂からの城

     バス停から城に向かって進むと、正面にホテル・ヴィクトル・ユーゴが現れる。その上にヴィアンデン城が霞んで見えた。(写真1)ホテルの向い側に観光案内所があり、左折すると橋がある。橋のたもとにユーゴーの胸像がある。(写真2)彼は荒廃した城の修復を熱心に呼びかけていたが、亡命中の1871年にこの町に滞在した。
     橋を渡って洒落た市庁舎などを眺めながら坂道を登ると、ヴィアンデン城が頭上に大きく現れてくる。(写真3)
    7写真4城からの全景.JPG 7写真5城からの登り坂.JPG 7写真6アール川からの城.JPG

    写真4:城からの全景

    写真5:城からの登り坂

    写真6:ウール川からの城

     城内には、教会や騎士の間などに歴史的な展示物があるが、何といっても窓から眺める景色は素晴らしい。(写真4、5)驚いたことに、天皇、皇后両陛下がヴィアンデン城を訪れた時の写真が展示してあった。帰路は下り坂で、ゆっくりと周りの景色を楽しみながら降りていった。
     ウール川に掛かる橋のたもとから、バス停の反対の方を眺めると、また素晴らしいヴィアンデン城が森の上に現れる。(写真6)
     バス停に着くと、中国人の青年が、両親を案内して来たらしく、仲睦まじく待っていた。最近、欧州を旅行するとこのような光景を屡見かける。当地で製鉄の技術を修得しているようだが、夏休みで両親を呼び寄せたらしい。親孝行なのを感心すると共に、羨ましくも思った。私が留学中は、母と妹は生活に追われて働き、海外旅行どころではなかった。会社の出張では連れて行けなかったが、母は70才を過ぎてから孫娘や友人と、米国、中国、オーストラリアに旅行した。定年になったら欧州に連れてゆこうと思っていたが、あの世に逝ってしまった。
     再びバスでエテルブルクに戻り、列車でクレルボー(Clervaux)に向かい、クレルボー城と聖モーリス&聖モール修道院(L’Abbaye St.Maurice et Maur)を訪れる強行軍であった。
    2 Comments »
    1.  ルクセンブルグという国が何処にあるのかと改めて地図を開いてみたが、本当に小さい国ですね。私はもちろん行ったことはないですが…。この小さい国のヴィアンデン城の景色を楽しむことができました。欧州には歴史を感じることが出来る景色が随所にあるようですね。これからも紹介して下さい。よろしく。

      コメント by 高橋 郁雄 — 2010年6月1日 @ 09:51

    2. また、大橋君の心休まる美しい油絵を見せていただき、有難う御座います。特に、今回のヴィクトル・ユーゴーの町とヴィアンデン城は、僕にとっては、大変思いで深い所で、当時を思い出しました。
      娘が、10年ほどルクセンブルクに在住していましたので、数回、ルクセンブルクに行った経験があり、あの近辺はあちこち訪れています。
      特に、2002年7月に、例の原子力支援の仕事で、リトアニア大統領からゲディミナス大公勲章を受けたとき、リトアニアでの授与式のあと、夫婦で暫くルクセンブルクに滞在して、娘の案内であちこち見物しました。そのとき、最も印象に残ったのが、このヴィクトル・ユーゴーの隠れた町とヴィアンデン城でした。

      コメント by 武田充司 — 2010年6月10日 @ 23:06

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