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  • 横浜30会2009年秋の例会報告/中林恭之@クラス1955

    日時および場所:2009年10月29日(木)
     第一部:14~16時 J.Power社 磯子火力発電所
     第二部:16時30分~18時30分 大雅飯店  

    出席者:
     新井、太田、大曲、大橋、高橋、小林、小松、寺山、森山、中林(幹事) 

    第一部 磯子火力発電所
     人間、10人もそろうと一人くらい調子外れが出るらしく、JR磯子駅13時30分の集合時間に一人だけ来ない。自宅に電話すると14時30分と間違えていたと云うことで発電所見学は彼を除外。彼はMr.OH。
     1950~60年代には、東京湾内に、千葉、新東京、品川、川崎、横須賀(何れも東京電力)と、戦後に建設された当時の新鋭石炭火力が並んでいました。所が現在では全てがLNG焚きに転換しています(新東京火力は廃止)。
     磯子火力発電所a.jpg
     J.Power社の磯子石炭火力発電所は、九電力会社の石炭火力発電所が一斉に重油焚きへ転換するエネルギー情勢の中で、国内石炭産業維持のために、昭和40年代初頭に運転を開始した、いわば政策発電所の一つで265MW×2基の規模でした。設計のモデルは、東京電力横須賀火力の1号機です。
     以来40年以上を経過し、燃料も国内炭から輸入炭へ転換しましたが、老朽化のためリプレースされ、600MW×2基として生まれ替わりました。
     世界でも屈指の人口稠密地帯である東京湾内に立地する石炭火力発電所として、世界最高レベルの発電効率を誇り(これはCO2減少対策を意味します)、LNG並みのばい煙排出レベルを実現した発電所で、この10月に竣工式が行われた出来たてのホヤホヤです。 
     見学された面々は、発電所の見学は学生時代以来だとか、初めてだとかで、技術の中身を理解するには無理があったと思いますが、黒い石炭の姿は何処にも見られず、煙突からの排煙はプラントが運転しているかどうか識別困難なほど、何も見えないレベルであることが認識されただろうと思っています。
     一生かかって石炭火力に携わってきた人間の一人として、今回8人もの友人に見学してもらったことは、非常な喜びでありました。発電所の技術が、石油→LNG、原子力へと進む中で、時代に逆行するような石炭にかけて来ました。化石燃料は使えば減ります。これは原子力も同様です。その中で、石炭埋蔵量は他の化石燃料に比し一桁多いのです。
     
     CO2が問題にされる世の中ですが、本来地球の大気はCO2 100%に始まり、恐竜時代の数千ppmを経て、産業革命直前に300ppmに至り、現在それより100ppm程増えたと騒いでいる情況です。現状のCO2濃度は地球の歴史上最低のレベルなのです。地球に埋蔵される化石燃料を全部燃やしつくしても、CO2レベルは800ppmレベルです。NASAの宇宙基地の中のCO2濃度は0ではなく、1,000ppm程度にコントロールされていると聞いています。
     石炭にのめり込んだ人間の一人として、つい筆がすべってしまいました。J.Power社も、入社した時は水力だけの会社でしたが、現状ではその売り上げの8割弱が石炭火力によるものとなっています。
     発電所の技術説明40分、プラント見学40分という短い時間でしたが、皆さん何かつかまれたでしょうか?

    第二部 大雅飯店IMG_0244a.jpg
     発電所見学に参加出来なかったMr.OHを含めて10名。
     いつもは酒を飲み、カラオケで久闊を叙す訳ですが、今回は来年が卒業55年目にあたりその幹事代表が大曲君になっており、彼の発案で折角10名も集まったのだから55年会実施についての意見を交換したいとのことで、カンカン、ガクガク、皆で勝手なことを云いあいました。
     最後に、30会の次回幹事は大橋君と云うことで、私もホッと致しました。

    追記
     今回、決算した所6,960円の黒字となりました。帰りのタクシー代が不要だったせいもあります。大橋君に引き継ぎます。

    2 Comments »
    1. 発電所の見学は黒部以来で、火力は当然初めて。
      主役の発電機が体育館のような広いスペースに悠々と鎮座しており、その回りの3次元的巨大空間の中にボイラーや排煙処理のための大規模且つ複雑な仕掛けが密集していて、発電所というイメージではなく化学プラントのようだったというのが見学後の印象である。
      それに、石炭火力と言いながら石炭の“セ”の字も見えず、また煙突からは煙どころか何も出てなかったのも印象的であった。
      また、中林君の解説でJ.Power社と九電力会社との立ち位置の違いも理解でき、大変役に立った。
      実は、この発電所の煙突は我が家のベランダからよく見える。これまで気にもしていなかったが、今回間近で見て「あれがこの煙突だったのか」と意外な感じがした。改めて地図上で測ってみたら我が家からの直距離6.2Km、三渓園方向と100度くらいずれているので煙突が一番太く見える方向のようだ。この発電所で横浜の電力需要の1/5程度をまかなっているという話を聞いたこともあり、大変身近に感じられるようになった。
      中林幹事の好企画に拍手を送りたい。と同時に、今後も横浜30会幹事諸兄の独創的企画が次々に出てくることを期待したい。

      コメント by 大曲 恒雄 — 2009年11月8日 @ 10:18

    2. 発電所の見学は20年ぶりで、私もこの磯子火力を見せて貰ったお陰で、従来の感覚を変える機会となった一人です。
      石炭火力なのに全く炭粉が落ちていない。所内のクリーンさと、排煙脱硫や集塵設備が敷地の主要部分を占めていたのが印象的。
      火力は大都市の負荷変動を吸収しているのかと思ったら、此処は2X600MWフル運転でそれだけ効率が良いと言う事か。
      またこの発電所には国内外から多数の見学団が来訪している事に、世界的に見て火力発電所の先進的技術が重要と認識した次第です。
      この良い機会を企画された中林兄に感謝します。

      コメント by 小林 凱 — 2009年11月9日 @ 21:43

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