仏向の谷戸の蛍狩/井村英一@クラス1955
記>級会消息 (2009年度, class1955, 消息)
6月13日「横浜市あるく会」で仏向(ブッコウ)の谷戸(ヤト)の蛍狩に行ってきた。
曇り空で、夜には夕立があるかという天気だったが、相模鉄道の鶴ヶ峰駅を17時過ぎに出発した。西南の方向に約4km歩いた。市沢の渓谷の中を通って、19時頃に仏向の台地に立つハンズ・ゴルフ練習場に着いた。このすぐ横の所から、仏向の谷戸へ降りて行った。
この日は、蛍の観察会が行われていて、狭い谷戸に大勢の人が集まっていた。
このあたりは、横浜市の丁度真ん中に位置するが、市内でも有数のゲンジボタルの自生地である。中央部に尾根が走り、左右に市沢・仏向の谷戸をなし、それぞれ湧水して市沢川・仏向川が流れ出し、やがて帷子川に注ぐ。1996年まで仏向町にあった日本カーリットの火薬工場のために、一帯の雑木林がその緩衝地帯として残され、奇跡的に当時の里山の姿が保たれてきた。
ここの蛍は6月中旬に出る。特に雨上がりの夜に多く出る。4~5秒間隔で明滅する。オスがメスに出会うために光るのだそうである。そして交尾して、卵が生まれ、1年かかって成虫となる。成虫は8日ほどしか生きられない。その間に光って、一生懸命に相手を探し、子孫を残さなければならない。
辺りが暗くなった19時20分頃から光り始めた。谷戸の端を流れる小流れの上に被さるように茂っている木々の下で、最初は所々で1匹2匹と光り始めた。そのたびに見物人が声を上げる。ポッと光り始めて、静かに動いて、スッと消える。初めて蛍の光を見て感激した。冷たそうな小さな白い光だが、見ていて胸が熱くなった。
段々と数が増えてきて、飛び回り始めた。もっと見ていれば、更に多くの蛍が出てきて、そのうち数十匹の同時点滅というものが見られるのではないかと思ったが、翌朝の予定があるので、20時頃に谷戸を離れた。
帰りは、ゴルフ練習場のすぐ前にあるバス停(新桜ヶ丘団地終点)から、バスに乗り、
15分程で相鉄和田町駅に着いた。
蛍狩して魂を置いてきぬ (関戸靖子)
2009年7月6日 記>級会消息