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  • 近頃思うこと(その7)/沢辺栄一@クラス1955

     対馬のかなり広い土地が韓国の資本により買収され、多くの韓国人が観光に訪れていると新聞で報じられ、また、グーグルの地図には対馬は韓国領との書き込みがあるとも言われており、危惧を抱いた国会議員が調査に訪れた。


    竹島に知らぬ間に韓国の軍事基地が設置され、日本の抗議にも全く応じることなく、先日発行された韓国の防衛白書には韓国領としていると新聞で報じていた。また、韓国内では最近、竹島の映画が制作され、韓国領である事を世界にPRしようとしているとのことである。尖閣諸島も中国領と主張し、日本が資源調査を行おうとしたら軍艦を派遣し、日本を威嚇し、日本が調査を取りやめたことは周知の事である。軍事戦争に依らない知らぬ間の侵略が行われているにも拘らず、手が出せない状態にある。
     翻って世界史を眺めてみると、15世紀、16世紀の初めに圧倒的な軍事力の差によって、インカ文明、マヤ文明など伝統的な文明がスペインによって滅ぼされ、また、北米においても先住民の10もあった平和な固有な文化圏が欧米人の破壊と大量殺戮、土地強奪により破壊された。コロンブスが到着する前の南北アメリカには最近の調査では5,000万~1億人にのぼる先住民が住んでいたと推定されている。日本は幸いにして鎌倉時代から幕府という軍事政権があったため、元の襲来時には鎌倉武士、九州の防人の活躍により防御でき、また、幕末の欧米諸国の植民地漁りの時にも、一般大衆の民度が高かったためもあるが、当時の殆どの知識人が英国の清国に対する非道な行為を知り、欧米諸国に対する危機意識を持ち、力は無いものの準備を怠らず、長州、薩摩が欧州軍の攻撃に対して一矢を報いたため、他のアジア諸国のようには植民地にならずに済んだ。
     15世紀から16世紀にはポルトガル、スペインが、17世紀にはオランダが、18世紀にはイギリスとフランスが、19世紀にはイギリスが、また、20世紀にはアメリカがそれぞれ世界を覇権した事は知られる所である。これらの覇権国家はそれぞれの時代において経済力が世界No.1であったため、軍事力もそれ相当に強化できたからであった。数年後に中国がGDP No.1になると予想されており、21世紀の後半は現在軍事力強化、拡大を図っている中国が覇権国家になるのではないかと思われる。
     現在、アメリカは莫大な財政赤字を抱え、経済力を超えた軍事力を持っていると云われている。日本の財政赤字は日本人が国債を買って支えているが。日本と異なり、アメリカの財政赤字はアメリカ以外の日本と中国によって支えられている。昨年の北京オリンピックの際、最初、ブッシュ大統領、サルコジ大統領は人権問題を理由に開会式に参加しないと表明していた。しかし、サブプライム問題を起したフェアメイなどの住宅供給公社等の債券等を中国に買い占められ、裏で脅かされてブッシュ大統領は元大統領を含めて一家総出で出席せざるを得なかった。また、サルコジ大統領も意図的な中国内のフランス系スーパーマーケット「カルルーフ」での不買運動、観光に頼るフランスへの旅行を国家的に停止されて出席せざるを得なかったと云われている。
     北朝鮮への対応、グルジア問題への対応等を見るとアメリカの経済力、軍事力がなくなってきていることが分かる。先の北朝鮮のロケット発射問題でアメリカはアメリカに届かないから打ち落とす事はしないと声明したが、日米安全保障条約での共同行為である日本に対する防衛義務をないがしろにしたものと見なされ、アメリカが頼りにならないことを示した行為であったとも報じられている。
     これまで世界を覇権してきた国家はアメリカを含め皆自国のために勝手な非法行為を行ってきた。人道的な考えの少ない国家が21世紀の後半、覇権国家になった場合、どのようなことになるであろうか心配である。経済的にも下降にあり、国際的にも発言力が低下し、覇権国家でなくなったアメリカの意向を伺うことなく、真に独立、自立で行動のできる日本独自の道を歩む必要があると思われる。幕末の吉田松陰が兄に宛てた手紙の中で書かれた「さてもさても思うまいと思うてもまた思い、云うまいと云うてもまた云うものは国家天下のことなり」の言葉が離れない。
     現在の国連の形態ではなく、現在の民主国家形態を真似て、世界に拡張した世界国家的な政治形態が構築され、各国は軍隊を放棄し、圧倒的な力を持ったその世界国家が現在の各国の上に立つ立場で各国の世界法違反を取り締まれるようなことになれば世界平和が訪れるのにと夢見るこの頃である。

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