横浜におけるスロバキヤ国立劇場のオペラ公演/井村英一@クラス1955
記>級会消息 (2008年度, class1955, 消息)
上記の、昨年1月の「椿姫」と今年1月の「蝶々夫人」のオペラ公演を見た。
私は、オペラというものは、目の玉が飛出るほど入場料が高くて、裕福な愛好者だけが見るものだと思っていたので、今まで見たことがなかった。
しかし上記の公演は大分違っていた。オペラの普及を企画した人が、スロバキヤ政府の後援を得て実施したもので、次の様に簡素な形式だが、入場料は3500円と安価なものである。
・ 音楽はピアノだけ
・ 出演者は主な登場人物の3人程度
・ 舞台装置はテーブル・椅子などを置くだけ
・ 曲は話の筋の中心となる主要な曲だけ
・ 客席400人程度の小ホール
しかし、出演する歌手の質は高く、また一般の観客に分かるように、各場面の始まる前にナレーターが日本語で話の筋を説明してくれた。
スロバキヤは、面積は北海道の63%程度、人口は540万人程度の小さい国であるが、昔はオーストリア・ハンガリー帝国に属していた地域であり、オーストリアのウイーンの近くに位置し、オペラの国立劇場が五つもあり、オペラ公演が盛んで、オペラ歌手の技量が高く、国民が楽しんで見ている国とのことである。
私は初めて、生でオペラ歌手の歌を聴いたのだが、その歌唱力と演技力にすっかり感動した。他の観客も楽しんでいたようだった。
「椿姫」は、19世紀中頃のパリ社交界に浮名を流した一娼婦をモデルにしたものと言われ、享楽的に生きてきた娼婦が初めて本当の愛に目覚めて、歓楽の生活をなげうち、真実の恋に生きようとする悲恋の物語である。
このオペラを見て、オペラというものに大いに興味を持ち、あとで、原作となったアレクサンドル・デュマ・フィスの小説「椿姫」を読んだり、5月の神奈川県民ホールでの藤原歌劇団の大掛かりな舞台を見たりした。
(ただし5000円の3階席で)
昨年の公演が終わってから夜遅く帰ったのだが、冬の夜空の星が綺麗だった。
オペラ見て余韻の中に冬の星 (英一)
2009年2月16日 記>級会消息
二三日前に流し読みしたこの文章を、今ゆっくり拝読しました。俳文というのか、俳文調というべきなのか分かりませんが、中々の名文と思います。
少なくとも、井村兄の俳句の腕が急速に上がっている事が、何となく伝わって来ます。
コメント by 寺山 進 — 2009年2月20日 @ 09:06
コメント有り難う御座います。実は、私の入っている俳句同人誌では、「自句自選」というコーナがあり、昨年1年の自句から1句を選び、それに関する説明を書くことをやっています。近いうちに、それを出すのですが、私は、この句を選んで書こうと思っていました。
そのことを意識して、今回のブログを書かして頂きました。
私は、毎月一回句会に出ています。句会では、「互選」と言って、出席メンバーがそれぞれ気に入った句を選ぶということをやっています。この句は、何人かの人に選ばれて、嬉しい思いをしました。
私のような初心者でも、何かに深く感動して作った時には、たまには、他の人に共感して貰えるような句が出来ることがあるものです。
コメント by 井村 英一 — 2009年2月21日 @ 16:07