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  • 奇勝「屯鶴峰(どんづるぼう)を訪ねて」/西道夫@クラス1955

    屯鶴峰は奈良県指定の天然記念物で、白い鶴がたむろしているような眺め


    から名付けられた。
    1.場所
      大仏で知られる東大寺は奈良盆地の北東部にあるが、屯鶴峰は盆地の西南部にある。
      電車では近鉄の大和西大寺駅(東大寺の西方5km)から南へ23km、橿原神宮前駅で、大阪阿部野橋行きに乗換え、北西方向に12km行くと二上山駅に着く。この駅から西方向へ車道(横に歩道あり)を2,5km歩くと到着する。
    2.異様な景観
      普通の山なら歩きながら前方に山は見えるが、ここではただ林があるだけである。突然、 道路右側に屯鶴峰と書かれた高さ3m程の木柱が現れる。道路脇には乗用車3台分のスペースもある。そこから緩やかな階段

    (丸太を置いてあるだけ)を30段ほど登り、更に幅の広い山道を40m程歩くと、右側が開けて大きな白い岩山が現れる。岩の出っ張りに足を置いて、10m程よじ登れば岩山の頂上に着く。ここから屯鶴峰の東側全体が眺められる。ここで昼食、私の写真も撮って貰う。 tondurubou1.jpg 
     屯鶴峰の東側をバックにして
    tondurubou2.jpg   白い岩は厚さ20cm程の層状になっている。岩の層は実は北西方向に下がっていて、樹木はこの下がっている面に生育している。もう1枚の写真は私が北東方向に向かい撮ったもので、異様な形の岩が連続している。上記の山道に戻り、更に北へ進む。この山道は断層で出来た谷間であるが、100m程進むと山道は無くなる。
      北東方向を向いて撮影

    北西方向の景色はやはり白い岩山と樹木で若干下がり気味である。何とも見飽きない風景だが、ここで引き返した。北或いは北西方向へ岩場を行けば、北側にある道路に出られるが玄人でないと危険なので、元に戻ることにした。
    3.屯鶴峰生成の過程(専門家の文章を一部借用)
      屯鶴峰の南方2kmに二上山(にじょうざん、昔はふたかみやまとも呼ばれた)がある。
      山頂が二つあり裾がなだらかの美しい山で、万葉の時代から歌に詠まれていた。この山が今から2000万年前から500万年間にわたり度々噴火し、噴出した火砕流、火山灰、火山砂、火山礫、火山弾などが第二瀬戸内海(淡水)の中に堆積した。この地層がその後の地殻変動で隆起し、侵食を受けて出来たものが屯鶴峰である。幾重にも重なっている地層の一枚一枚が、噴火の一回分の堆積物である。地層は走向傾斜約60度、北西方向に傾いて大阪平野の下へ、更に大阪湾の下をくぐって神戸周辺で地上に表れている。なお、岩石の成分は秋吉台などの石灰石とは異なり、雨水では溶けない。                   以上

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