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  • ルーシーのつぶやき/斎藤嘉博@クラス1955

     地球館の地下二階に40億年前の片麻岩や隕石、アンモナイトや三葉虫の化石など地球46億年の歴史を示す様々な展示がひろがっていて、気の遠くなるような長い時間の足跡が我々を地球草創期のロマンに誘ってくれます。


    ru-si-3.jpg その奥に、類人猿から猿人、原人、旧人と、ヒトの進化の様子が展示されています。グレートリフトバレーの出現がアフリカ東部の気候を激変させ、その東側で二足直立歩行のヒトが誕生しました。暑いサバンナの照り返しを避けて立ち上がった、両手でものを運ぶために二本足になった、など直立歩行の理由について様々な憶測があげられていますが、手を使うことが大脳を刺激して次第に賢い動物になっていきました。
     最古の人類だと思われる骨格の化石がエチオピアの北部、アファール低地で発掘されたのが1974年。我々が大学を卒業してから20年も後のことです。発掘お祝いのパーティー席上にルーシー・インザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンドの曲が流れていたので化石の女性はルーシーと名付けられました。ほぼ320万年前のものと推定されています。年齢は20代後半で、現在の私の素敵なガールフレンドです。彼女は時折、真夜中誰もいないときに、こっそりと300万年の間に地球上で起こった様々な事柄を私に面白く話してくれるのです。なかなかに鋭い観察眼で感心させられるのですが、今日は彼女の説のホンの一部をナイショで皆さんにご披露しましょう。
      『イマのヒトタチは機械にばかりたよって五感がすっかりダメになってる。だから第六感が全く利かないでしょ?本能を忘れた動物なんて生きていられない。諸悪の根源はパソコンとテレビよ。明日のお天気は雲の様子を目で見、風を肌で感じれば正確に分かるのに、液晶を見て予報をするんだからオカシクテ』
      『教育の源は親の躾。私たちの時代はお父さんが掟に厳しかったし、お母さんがしっかり肌で抱いてくれた。それが教育。だれかが学力の低下は日教組のせいだなんて言ってたけれど、πを3にしたり元にもどしたりと、方針に一貫性がないのが一番問題なのよネ』
     私が「ルーは頭がいいねえ、キミの脳は500ccしかないというのに」と言ったら「そりゃあアンタの頭なんて容積は1500ccでも軽石みたいにスカスカでしょ。私の脳は密度が違うのよ」だって。ルーシーに尋ねたいことがありましたら、私がピテクス語の翻訳をいたしますのでご遠慮なくこの欄にどうぞ。
     参考文献:馬場悠男著 ホモ・サピエンスはどこから来たか KAWADE夢新書

    3 Comments »
    1. 斎藤さんの語りが益々面白くなってきました。今後も大いに期待していますのでよろしく。

      コメント by 大曲 恒雄 — 2008年11月3日 @ 15:15

    2. ルーシーへ:鼻から上を隠すと現世人類と余り変らないです。口蓋や首のすわり具合を見ると、言語、即ち音声によるコミュニケーション能力が大分高そうに見えます。しかし320万年前では、未だそこまでいってないでしょうね。一度声を出してみて下さい。(斎藤先生、発音を書き留めて翻訳をお願いします。)
      食べ物についての私の推測。訂正、追加をお願いします。草や木の実、葉、小動物や昆虫、ハイエナや禿げ鷲の食べ残し。

      コメント by 寺山 進 — 2008年11月3日 @ 15:40

    3. 寺山さんへ ルーシーがピテクス語で話す声は丁度私の声の録音テープを逆回転倍速で聴くような音です。録音を皆さんにお聞かせしようと思ったのですが、何回やっても不思議に録音不能でした。目下原因を研究中です。  食物については木の実が多いようですが、次回話が出来たときに訊ねておきましょう。

      コメント by サイトウ — 2008年11月4日 @ 23:44

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