• 最近の記事

  • Multi-Language

  • 本当のゑんま帳とは/西道夫@クラス1955

     「ゑんま帳」と言う言葉は誰でも知っている。しかし、どんなものか、誰がどのように使うのか、は知られていない。先月、京都の千本ゑんま堂を訪ね、ゑんま帳を見て来た。

    1.閻魔法王像など
      本堂の正面には高さ幅ともに2,4mの閻魔法王像が構え、左側には書記役の司録尊、右側には検事役の司命尊が控えて居る。司録尊が対象の人のこれまでの行状を調べて記録し、司命尊が記録(ゑんま帳)を見て、極楽行きか地獄行きかを決める。司命尊が両手で持っているゑんま帳は長さ1m、幅50cm、厚さ2cmほどの少し波打った板である。
      閻魔法王像は琥珀の目で睨んでいるが、長く見ていると、何か優しい感じもして来る。  実は閻魔法王は時々うなり声をだすが、地獄に落ちた人々はこの声で安らぎを感ずるのだそうだ。
      本堂内は撮影禁止なので、パンフレット表紙の写真をご覧下さい。えんま帳a.jpg
    2.千本ゑんま堂の場所
      この地は「化野(あだしの)」、「鳥辺野」と並んで、小野篁(ゑんま堂の建立者)が定めた平安京三大埋葬地の一つ「蓮台野(れんだいの)」の入口にあたり、即ち生死の界(冥界への入口)であった。地図上では千本今出川交差点から北へ600m程の所にある。千本通りとは烏丸通りの西1,5kmを南北に走る道で、今出川通りは御所の北側を東西に走る通りである。御所の中心からは北西の方角に当たる。 
    3.その他のお話
      ゑんま堂境内に、高さ6mの多層石塔「紫式部供養塔」がある。紫式部の不遇な生活を弔うために立てられた、と伝えられる。ところで、彼女は極楽へ行ったか、それとも地獄へ落とされたか?答えは地獄の由。あのような人を惑わす小説を書いたのが理由とのことである。また小野篁は超能力の持ち主で、地獄に落とされたが、現世に這い上がって来て、いろいろの仕事を成した由。
      (これらの話は説明者の京都ボランティアから聞いたものである)
      なお、今回は京都の夏の「文化財特別拝観」で公開されたもの。普段は見られない。

    1件のコメント »
    1. 楽しい情報を有難う御座います。関東に居ると、気軽に京都や奈良に行くこともならず、こういう話は有難い。妙なもので、現役時代の忙しい時には、家内とよく京都や奈良に行き、お寺めぐりと仏像拝顔を楽しんだのですが、暇になったはずの今は、腰が重くなりました。先日、久しぶりに、家内と一緒に石山寺に行き、近くの菩提樹という旅館に一泊して、部屋から、目の前の瀬田川の夕暮れをのんびり眺めてきました。また、折に触れて、そちらのお寺や神社の話を書いて下さい。楽しみにしています。

      コメント by 武田充司 — 2008年11月6日 @ 22:31

    Leave a comment

    コメント投稿後は、管理者の承認まで少しお待ち下さい。また、コメント内容によっては掲載を行わない場合もあります。