エアトン先生/斎藤嘉博@クラス1955
記>級会消息 (2008年度, class1955, 消息)
大曲さんのご尽力で私たちのクラスもこうした欄を持つことができるようになりました。その最初の回に投稿のご指名を頂いたのは
光栄です。皆でこの欄を楽しいチャットの場に育てていきましょう。
さて、私が上野の国立科学博物館でボランティア活動を始めてもう4年目を迎えました。地球館のニ階には明治初年に日本の科学技術教育を立ち上げた外人教師の業績が展示されていて、そこにエアトン先生の名前が見られます。ボランティアを始めてこの展示を見つけたとき、私は急に科学博物館が身近なものになったような気がしました。昔私たちが学んだ3号館の図書室にエアトン先生のレリーフがあったのを覚えておられる方も多いでしょう。
先生は1873年、明治6年に来日され、私たちの電気工学科の前身である工部省工学寮工学校の電信科主任教授として熱心に電気磁気学を中心とした講義にあたられました。そのことが本国のイギリスに聞こえて、マクスウェルは「電気工学の中心が英国から日本に移った」と言われたとか。
先生は「本校は工学専門家の養成校だが物理学をおろそかにしてはいけない」と言われ基礎教育にも力を入れられたと工部大学校資料に記されています。もう一つ、明治11年に日本で初めて公開の場でアーク灯(デュボスク式)をともしたのもエアトン先生。博物館の同じフロアには京都石清水の真竹を使って作ったエジソン発明の電球展示の側に、昔銀座の街を明るく照らしたブランシェ・藤岡の開放型アーク灯なども置かれています。
博物館の展示を見ていると昔と今とが交錯して迫ってきます。退屈なときにはこの博物館を訪れて先人の息吹きが感じられる科学の歴史に接してみませんか。ちなみに件のエアトン先生のレリーフは今でも2号館(3号館ではありません)にある電気系図書室の入口に置いてあります。
2008年7月28日 記>級会消息
斎藤さんに無理を言ってエアトン先生の写真を撮ってもらいましたが、残念ながら全然記憶ありません。それにしても如何にも昔の偉人、大先生という迫力ですね。
コメント by 大曲 恒雄 — 2008年7月30日 @ 08:11
最近、上野の国立科学博物館に行ってみました。いろいろ工夫が凝らされているのに感心しました。それにしても、科学技術立国を標榜する国の博物館にしては、あれは小さ過ぎて恥ずかしい。スミソニアンやルーブルの10倍位の大きいのを、筑波あたりに百年計画でつくる気概が欲しいと思いました。博物館はその国の文化のバロメータです。そして、科学技術も立派な文化です。
コメント by 武田充司 — 2008年7月30日 @ 21:39
活性化WGの渡部直也です。
「エアトン先生のレリーフ」と題して、電気の日高先生がコラムを投稿されています。現在は、2号館5階のエレベータホール内、2号館図書室の壁にあるそうです。
記事は、以下です:
http://todaidenki.jp/articles/faculty/080316HidakaKunihiko.html
あるいは、右下の「コラムへ」をクリックして下さい。
コメント by 渡部直也 — 2008年7月31日 @ 22:03