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  • 一人一人の日々の努力の積み重ね/若原恭

    人類の総人口をご存知でしょうか。よく話題になる、ある時点での生存者総数ではなく、人類が誕生して以来の累積の総人口をご存知でしょうか。例えば、Caul Haub: ”How many people have ever lived on Earth”, Population Today, pp.3-4, November / December 2002 は、2002年中頃の時点で、累計総人口を約1,065億人と推定しています。当時の総人口は約62億人で、累積総人口の約5.8%に相当します。

    一方、地球は誕生してから約46億年経ったと言われています。約2億年前に哺乳類が出現し、約6500万年前に霊長類が現われ、約600-500万年前になってようやく最初の人類(猿人)が登場しました。そして、約20万年前には現代人が出現して、約10万年前にアフリカから世界各地に移住し、約5000年前頃から世界のあちこちで初期の(古代)文明が現われ始めました。その後の人類社会の発展は著しいものがあり、特に、18世紀後半の産業革命、20世紀に入ってからの科学・医学等あらゆる分野における技術の飛躍的な発展と経済的な発展には目を見張るものがあります。このように、我々人類は、総括的には、約1,000億人の営みと努力により、世界を大きく発展させてきました。

    しかしながら、バブル経済がはじけた1990年頃から、社会経済産業の円滑な回転が困難になってきました。例えば、大企業の破たん、企業倫理の欠如、食の安全性の崩壊、政治への不信、テロや犯罪の脅威、社会全体の閉塞感等、社会の仕組みや展開に行き詰まりを感じさせる大問題が世界的に山積してきています。また、環境/自然の破壊、地球温暖化、資源の枯渇、地震や津波を含む大震災等、人類の存亡に係わる様々な深刻な問題も顕在化してきています。残念ながら、これらの問題に対して決定的で有力な解決策が得られているとは未だ言えません。人類の文明の歴史は、地球年齢の10-6に過ぎませんが、そのような文明が地球や世の中に与えるインパクトは意外に大きい気がします。

    我々は、現在、情報時代の最中にあって、更にその発展に向けた研究に日夜鋭意努力を重ねています。多分、それをライフワークとして位置づけている方も少なくないと思います。しかし、このような努力も上述のインパクトの一翼を担っているわけでもあります。深刻な問題を多々抱えている今、将来の人類の行く末を決定付ける大きな分岐点に我々は立っているのかもしれません。もちろん一人一人ができることに限りがあるのは確かですが、人の一生を100年だとすると、これは文明の歴史の約1/50に相当するわけで、案外大きな割合を占めている感もあります。このように考えてくると、あらためて一人一人が日々取り組んでいる一つ一つの努力の積み重ねが重要だと認識させられます。

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