同窓生プロデュース特別講義第二弾
12月11日(水)、電気系工学専攻・融合情報学コースの特別講義にて、同窓会推薦講師による第2回目の講演が行われた。今回の講演は、電気系工学専攻の峯松信明教授による「高齢化社会を支える電気・情報・通信技術」に関する講演募集に応えて行われたものである。
題目:「高齢化社会を支える電気・情報・通信技術
-認知症の診断治療に貢献する医用生体工学-」
講師:福本一朗教授(長岡技術科学大学)
講演では最初に、福本氏自身がスウェーデンで医師免許を取得した経験をもとに、スウェーデンでは福祉が医療と一体化していること、各病院で臨床工学者が医師と同じく高い地位にあることが語られた。つぎに、災害救助のための技術として、帰国後の氏の研究成果である、震災時の被災者を救うためのアニマルセンサー、災害救命ロボットはじめとする様々な研究が紹介された。
認知症の診断治療に役立つ医用生体工学技術としては、アルツハイマー型認知症が、患者の対光縮瞳反射や追跡眼球運動を測定することで早期の診断が可能になりうること、さらには、認知症に対する非薬剤療法として、光刺激や電気刺激が有効である可能性があることなどが、さまざまな実験データとともに説明された。
講演終了後の質疑では、技術的な詳細に関する質疑から、西洋医学と東洋医学の関係にまで話が及び、活発な議論が行われた。氏の講演は、認知症を(少な くとも技術的には)縁遠いものと考えていた多くの電気系学生にとって、認知症の診断治療をはじめとする高齢化社会を支える様々な医療技術に、工学分野の研究者が大きく貢献できることを知る非常に良い機会になったのではないだろうか。
なお、来年度も同窓生プロデュース「特別講義」は継続して行なう予定です。特別講義テーマが同窓会MLに投稿されましたら、本年度同様、講師推薦を宜しくお願いします。
文責:鶴岡慶雅
テーマ立案:峯松信明
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