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  • 「空気の港」/相澤清晴

    標記タイトルのイベントを10月9日より11月3日まで羽田空港で開くことになった。宣伝を兼ねてコラムを書くことにした。(なお、当方も参加しているJSTのプロジェクト“デジタルパブリックアート”の最終報告会でもある。詳細は、http://www.digital-public-art.org/を参照されたい)プロジェクトメンバーのアーティストである鈴木氏のアイデアで日常では見えないものを感じさせるような企画が中心である。鈴木氏を含め、プロジェクトに参加しているグループは、時に連携しながら、メディア技術を生かしたアート作品を創るというプロセスを続けてきて、ようやくというか、もう来週に始まる。20近いインタラクティブな作品が、羽田空港のオープンスペースに点在することになっている。羽田空港には、国内出張でよく出向くという方も多いと思う。この期間中に行かれた折には、ご覧いただければありがたい。相澤のところは、自針分針、未来の足跡、風見鶏の3点に関与している。

    このプロジェクトでメディアアート展を行うのは2回目で、前回は青山スパイラルで2007年5月に“木とデジタル”という展示会を行った。その制作の時に、最初に体感したことであるが、技術的な展示ととらえる目とアート作品としてとらえる目では、重視する点は全く異なる。当たり前かもしれないが、身を持って感じるととても大きなことのように思う。アートの目では、完成度への要求が桁違いに違う。出来栄えのディテールへのこだわりも驚くほど高い。だからアーティストなのだと感心している。一方、技術的なところで、理窟の詳細にこだわるのが我々であろうか。

    かりに、技術的なプロトタイプを大学の中に展示するのであれば、少し調子が悪くて動かないということがあっても、次につながる余地がある。これが、ひとたび外にでて、アートの目で見られる時には、動かないというのはありえない。(もちろん製品作りはもっと厳しいと思う。)

    プロジェクトに加わり、制作を行い、この状況を味わっている学生は、ストレスは相当だと思う。同時に、とても多くのことを得ているように思う。どの作品も一人だけでは出来上がらない。厳しい締切りのある中、作品を取り巻く状況を把握し、プランを立てたり、協力して取り組んだり、リーダーシップをとったりと、日頃の研究活動では遭遇しない状況に対処している。学生が大きく変わったようにも思える。3つの作品とも無事に展示に至ると信じている。一ヶ月間、故障しないかが問題かもしれない。

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