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  • 「お家で国際交流してみませんか?」/廣瀬明

    私は2008年現在、東京大学イアエステ委員会の委員長を拝命して2年になります。イアエステ(IAESTE)とは、科学技術系の学生の海外インターンシップを推進しているユネスコ傘下の国際団体です。ヨーロッパを中心に80カ国以上の国と地域が加盟し、学部および大学院の学生の交換を行っています。日本のイアエステ・ジャパンは、1964年に東京大学工学部の丁友会がその活動の一部として開始したのが発祥であり、現在では東大のほかに東工大、早稲田、慶応、東京理科大、東京農工大などが関東地区の理事校となり、全国的にも北大、東北大、京大、阪大、九大などが理事校としてその運営にかかわっています。毎年、日本と海外との間で70~100名の学生の交換を行っています。典型的には夏休みの時期をはさんで2~3ヶ月の研修を行い「その国での生活」を体験します。学年は修士1年生が最も多く、学部4年生も少なくありません。若く感受性豊かで積極的な学生が多く、留学や共同研究とは異なった趣の国際交流となっています。受け入れ企業として、電機・通信・精密機械など多くの分野の企業の協力を得ています。

    イアエステ・ジャパンでは、今から3年前に大きな変革を行いました。東京大学が日本の大学として始めて継続的な引き受け機関となり、海外からの研修生の引き受けを開始したのです。日本ではインターンシップといいますと通常、企業での研修を指すかと思います。しかし、ヨーロッパでは他大学の研究所や研究室で経験を積むことも研修として広く行われており、日本の大学での受け入れの実現も海外から期待されてきました。そして初年度に試みに2名の引き受けを行いましたところ、これを体験した研修生や海外のイアエステからも大変に好評でした。この活動は徐々に拡大し、東京大学では2008年度には約20名を受け入れます。また受け入れは北大や東北大にも広がっています。

    しかし、ここで問題が起こりました。恥ずかしいことですが、東京大学は学生寮が全く貧弱で、このような短期の研修生を受け入れる余裕がありません。そのため、2007年度から「お家で国際交流してみませんか?」といったポスターを作り、ホストファミリーを広く募集しています。このホストファミリー制度も、研修生には大変好評です。ホストファミリーは研修生を自宅に滞在させ、日本の生活を体験してもらう最も重要な役割を果たしています。これによって、研修生、ホストファミリー、受け入れ機関、イアエステ・ジャパンの学生委員の4者による国際交流が展開されるようになりました。これまでホストファミリーを引き受けてくださったご家族からは、研修生が若いのに人間として大人であることに驚いた、こちらから海外旅行で研修生の母国に行った時に久しぶりに会い楽しかった、などの声をいただいています。

    電気系同窓会の会員皆様にも、ホストファミリーをお引き受けくださる方々がいらっしゃるに違いないと想像します。これまでにホストファミリーをお引き受けくださった方々には、お子様方が独立して住居に余裕のできた方々が少なくありません。またお仕事の経験で、国際交流に積極的な方も大勢いらっしゃるに違いないと思います。ウェブページに連絡先がございますので、お電話やメイルなどで、ぜひお気軽にお問い合わせください。(また企業での研修受け入れのご提案もお待ちしております。)イアエステのウェブページは次の通りです。http://www.iaeste.or.jp/

    ホストファミリー募集の詳細は、こちら(PDF:502KB)をご参照下さい。

    (廣瀬 明:工学系研究科電気系工学専攻・教授)

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