NHK大学ロボコンで優勝:工学部丁友会RoboTech/三田吉郎
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電気系工学専攻 融合情報学コースの三田(クラス1995)でございます。今日は、嬉しいニュースをもってきました。
ABU世界(アジア)大会の予選もかねていおります、NHK大学ロボコンが先日6月8日に代々木のオリンピックセンターで開催され、我らが「工学部丁友会RoboTech」は、昨年にひきつづき、見事連覇を達成いたしました! 大会の様子は、7/1 17:00よりNHKで放映予定です。
## ロボコンのページ?##
## RoboTech のページ?##
コンテストでは、毎年世界大会開催地にちなんだタスクが毎年課せられます。今年のタスクは、香港にちなみ「平安大吉」(Pen-On Dai-Gat)といって、饅頭の山に見たてたスチロール製のオブジェクトを取ってかごに入れるというもので、完成すれば勝ち、完成しなければ得点勝負という形式です。「平安大吉」に至るまでに「手動ロボット」「自動ロボット」が独立または協調して、ヤヤコシイタスクを多数こなす必要があります。
小職は後述するように、RoboTechと直接の関係はありませんが、工学部共通科目「一般電気工学実験大要」担当として全工学部に対して電気電子工学の特に電子回路関係でのサービスを行なう立場から側面支援をしていまして、その縁で今年も愚息と観戦してまいりました。
## 大学ロボコン大会結果?##
さて予選リーグ1戦目、東京大学はシード校の一番最後、Gグループとして登場です。対信州大学戦でぶっちぎりの「46秒クリア」(それまでの最高は金沢工大の59秒)で対戦相手ならびに審判(機械のスピードに追いつけず)の度肝を抜き、今年も安泰か~と思いきや、、
予選2戦目で、徳島文理大学相手に最後のタスクででまさかのリトライ。今年は実力がかなり伯仲しており、ワンミスで敗退の可能性があっただけに、あれが予選でよかった、と本当に思いました。(といいながら、リトライしても1分46秒でタスク完成は、大したものでした。)聞くところによると、直前にハーネスの取り替え作業をしていたそうで、やはり「直したところは壊れる」の法則だたようです。
一方、これで気持が引きしまったのか、本戦では3戦とも危なげない完全勝利、でした。
去年は国内ぶっちぎりの優勝を決めた後、タイでまさかの「現地の試合環境に適応できず地元勢に敗退」だったわけで、今年はその悔しさをバネに、リカバリも含めて練習してきたようで、期待を感じて帰ってまいりました。あと2ヶ月、8月19日の世界大会まで、現役諸君はすることが増えた、ともいえますが、こうなったからには、優勝まで頑張ってもらいたいと思います。
【ロボテックと電気系の関係~なぜ、勝てるようになったか~】
東京大学RoboTechは、情報理工学系研究科知能機械情報学専攻の國吉康夫先生を顧問とし、工学系の多数の学科はもちろんのこと、文学部(例えば仏文)に至るまで多数の異なる所属から構成される「オール東大」の学生サークルです。
2012年3月電気系進学のメンバの活躍は特に光っており、今回のロボコンでのピットクルー4名中、「島津真人君(電電)」「杉田祐樹君(電情)」の2名が電気系、ピット外の部員の中でも、「平木剛史君(電情)」特に「小山英利香さん(電電)」の貢献ぶりがめだっていたようです。6月に交替した新執行部では平木君が部長、島津君が副部長となり、益々精力的に活動しています。
電気系として、不肖三田も古くは2004年頃から電装面で協力しており、例えば工学部ものづくり工房にある基板加工機が「ここぞという時」に良く故障するので、そんなときには緊急避難的に、新2号館引越しのときに幹事で身を粉にして働いたご褒美?で当時の事務主任の柳生さんに若干配慮いただいた運営費を投入して導入し現在では学生実験カリキュラムにも組みこんで一般電気工学実験室(電子系)にて開放してある自動基板加工機を使わせています。また、島津君が「峯松先生担当の駒場4学期のソフトウェアの講義を新人1年生30名に3倍速で教える」Cプログラミング勉強会を主催しているので、それに対して毎週土曜日に244号講義室を提供する(鍵と部屋の管理は教員が行なう)など、きめ細かに便宜を図って応援しています。
ロボコンでは、伝統的に東京大学は「ヒール役」で登場しており、そのくせ「電気は強いがそれ以外が…」というイメージで、天才的なメカの才能を持った他大学学生が、むきだしのライバル心で作ったロボットにコロっと敗けてしまう、ということが2000年代に見かけられましたが、昨今では、
- 「プログラミング3倍速講座」などは当たり前
- さらに例えば電気系の堀先生、藤本先生の現代制御理論に関する原著論文などをしっかりと勉強し、その成果をロボット制御にいち早く生かすとともに
- 早めにロボットを完成させて、数千回を下らない回数の「反復練習」をひたすら実行する
という、「受験勉強にもつながるストイックさ」で、チーム一丸となって協力していることが、「他大が最速でも1分のところを、通常44秒」という、国内の他大学をまったく寄せつけない強さにつながっています。学部3年生の口から「PID制御をやめたら速くなって感動しましたよ~」と聞くのは、本当に頼もしい限りです。
一方世界に目を向けると、国の威信をかけて各国東大生に勝るとも劣らないガッツで仕掛けてきます(しかも悪条件に強い!)ので、まだまだ予断を許しません。「電気系のカリキュラムはこなしつつ、余力で頑張る」スタンスで、「学習もサークルも」頑張っている部員達をおみかけの節は、まず日本大会での優勝をねぎらい、そして8月19日の香港大会での奮闘を励ましてやってくださいませ。