新任のご挨拶/飯塚哲也
平成23年4月1日付で電気系工学専攻の講師として着任いたしました飯塚哲也と申します。
長い歴史と伝統を持つ東大電気系の教員として教育・研究活動に携われること、大変光栄に存じます。これまで私を支えていただいた多くの先生方に心から感謝いたしますとともに、東大電気系の一員として恥じることのないよう、これより一層の努力をしてまいる所存です。
私は平成14年(2002年)に電子工学科を卒業し、その後大学院では大規模集積システム設計教育研究センターの浅田邦博先生にご指導を賜り、半導体集積回路の設計自動化に関する研究に従事してまいりました。
平成19年(2007年)に博士課程を修了し、博士(工学)の学位を取得した後、ザインエレクトロニクス株式会社にて液晶ディスプレイ等に搭載されるアナログ集積回路製品の設計技術者として2年間の研鑽を積み、平成21年(2009年)4月より東京大学大規模集積システム設計教育研究センターの浅田邦博先生のもとで助教を務めさせていただきました。この間、集積回路の設計自動化の研究・集積回路製品開発・回路設計技術の研究と、半導体集積回路に関して多方面からのアプローチを経験してまいりました。これらの経験を生かし、現在も継続して集積回路設計技術に関する研究を進めております。
現在私は、設計の複雑化する極微細半導体プロセス技術におけるデジタル・アナログ融合回路システムに関して研究を行っております。近年の微細プロセス技術においては、デジタルとアナログの間の垣根は非常に低くなっており、両者のメリット・デメリットをよく理解しそれらを融合した回路設計技術が必須となっております。また、極微細プロセスに特有なトランジスタの性能変化の検出・補正に関する研究も行っており、最先端半導体技術を効率よく活用し、さらなる高性能・高付加価値を実現するための研究を進めております。
私の進めている研究の全ては、研究活動のスタート地点から私を支えてくださった浅田邦博先生、池田誠先生をはじめとする先生方、学生時代から研究活動を共にし身近なところから多くの助言をくださった名倉徹先生、吉田浩章先生をはじめとする研究室の先輩方、友人達、実際の開発現場にて数多くの生きた知識を与えてくださったザインエレクトロニクス株式会社の先輩方の温かいご支援の上に成り立っております。これまでご支援いただいた数多くの皆様にこの場を借りて心より感謝申し上げます。
東大電気系は様々な分野の研究者との出会いが数多く経験できる場と考えております。その中で得られる多くの刺激から新たな技術を生み出すことができるよう、自身のこれまでの経験を生かし幅広く研究活動に励んでいく所存です。また、研究活動を通して得られる喜びを電気系の多くの学生に伝え、技術を愛する人材の育成にも力を注いでいきたいと思っております。至らぬ点も多々あるかと存じますが、皆様からのご指導ご鞭撻を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。