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  • 新たな電気系同窓会を目指して/活性化WG

    同窓会ホームページ

    1. 同窓会をとりまく状況
     最近、学部学生の卒業に際して同窓会への勧誘がやりにくくなっているとか、駒場からの進学振分け時に電気系の人気が低下しているなど電気系同窓会にとって悩ましい話を聞きます。また同窓会の会費納入率もこのところ低迷している状況にあります。さらに年1回開催される同窓会の総会においては参加者が減少傾向にあり議事採択のための定員確保が容易でない状況も生まれています。これら問題の背景にさまざまな要素があると考えられますが、ここでは同窓会の求心力ともいえる同窓会名簿および会報の両面からまず考えてみたいと思います。

    2. 問題の所在
     これまで同窓会の求心力として大きな役割を担っていた同窓会名簿は、近年の個人情報保護法施行で情報の掲載項目が個人各自の判断に委ねられたことにより、同窓生の動静を知る情報ソースとしての価値が大きく削そがれています。加えて個人情報の掲載内容確認のための大幅な手続き上の遅延が、名簿の生命線ともいえる内容の新鮮さに致命的なハンディを与えました。

     他方、これまで半世紀にわたり大きな役割を果たしてきた同窓会報も、会員相互をつなぐメディアとして大きな分岐点にあるといわざるを得ません。インターネットの急速な普及に伴い新たな情報が瞬時に流れる今日、年1回しか発行されない会報の情報速度格差は見かけ以上に大きくなっています。日々更新される情報を生活環境に置く若手やバリバリの現役企業人にとって、ゆったりとした時間軸にある同窓会報は一風の清涼剤かもしれませんが、それ以上のものにはなり得ません。名簿と会報を求心力としてきた同窓会のあり方を大きく考え直さなければ、上記の問題がますます顕在化してくることは明白です。

    3. 新たな方向:ソーシャルネットワーク化
     活性化WG では以上のような危機感を背景に、これまでに活力ある同窓会実現に向けて新たな方向を探ってきました。その結果、初心に帰って「会員に役立つ同窓会」を目指そうという結論を得ました。半世紀もの間どっしりと腰を落ち着けてしまった同窓会にとって「会員に役立つ」とはある意味で新鮮なキャッチフレーズではないでしょうか。

     同窓会が会員自身に役立つのであれば、学生の入会勧誘も容易になり、会員の会費納入率も自然と向上することになるでしょう。これまでの名簿とか1年ごとの会報を軸とするのではなく、6000人を超える卒業生の日々の動きが見えていつでも先輩や後輩に気軽に声をかけられ、自身の勉学、仕事や日常生活にまでその情報を活用できる、という同窓会の環境が生まれたらどうでしょうか。

     これを最近のWeb 2.0風のキーワードで表現するなら、電気系同窓会は相互に信頼関係を保ちながら社会交流の連鎖づくりを促進する場、すなわち「ソーシャルネットワーク」に当たります。

     電気系同窓というゆるい関係性のうえに会員相互のつながりを醸成する場を同窓会が提供することにより、会員が仕事や日常生活の上での新たな選択肢をもつことが可能になります。例えば、就職希望の学生は興味ある複数の企業の先輩に話を聞くことが可能となるでしょう。また、特別講義の講師選択に頭を悩ませる学科の先生は同窓会ソーシャルネットワークを活用して講義にふさわしい人選が容易となるかもしれません。現役の企業人である卒業生から見てプロジェクトの連携相手探しや、リクルートの面で活用が図れるでしょう。そして、現役を退いたシニア会員にとっては、同窓会というコミュニティ自体のために貢献するという新たな役割を見つける場になるでしょう。これは、同窓会のシニア会員の新たな活躍の場としても考えられます。

    4. ソーシャルネットワーク化に向けた課題
     以上述べたソーシャルネットワーク化を促進するためには、会員自らも新たな試みに積極的に関与していく必要があります。それは、技術面および体制面の両面にあります。

    1) 技術面の課題
     まず、技術的な要は情報通信技術ICT(Information & Communication Technology)です。ソーシャルネットワークの場づくりは、これまでの名簿?会報といった出版物ベースではなく、電気系同窓会のホームページを基盤としてインターネット上で行うことが基本になります。さらに、情報の流通を促進するためにメーリングを併用することも重要です。すなわち、インターネットを活用して、電子メールおよびブラウザ利用によるホームページアクセスを行うことを会内で促進することが必要となります。

     ICT 化にご賛同の方からは、「東京大学の電気系という先端技術集団で構成された同窓会は当然ICT をベースとすべきだ」という力強い言葉をいただくでしょう。一方で、「若い会員や仕事でバリバリとネットを活用している会員は問題ないが、ネット利用ができない会員はどうするのか」といった現実的なご指摘もあります。これらの方々に向けては時間をかけながらICT 化を徐々に進めることが前提です。それまでの間は従来の会報に相当するものとして、新しいホームページのプリントアウトを定期的に郵送するなどの対策も必要です。

    2) 体制面での課題
     つぎに体制面として重要なのは、会員自らが電気系同窓会というコミュニティづくりに積極的に参画することです。同窓会の運営を理事会や事務局に任せるのではなく、自分達が活用できるコミュニティ自らが築き上げるとの意識をもって、できるところからコミュニティづくりに参画することが求められます。例えば、上記のICT 化を進めるのにあたっては、例えばシニアOB が、場合によっては若手学生がボランティアあるいはコミュニティビジネスとして参加する形態も想定されます。シニアOB にとってICT 化への貢献は自らの勉強でもあるしコミュニティへの貢献ともなります。学生にとっては、大先輩とのパイプをつくる契機となるかもしれません。

    (注) コミュニティビジネスの概念:一般的に地域コミュニティにおいて、地域の課題を住民自らがビジネスの手法を用いて解決すること。単なるボランティアではなく、ビジネス要素を導入することにより組織的にかつ永続的に事業を継続するのがポイント。電気系同窓会は地縁ではなく大学縁で結ばれたコミュニティ。

    5. 同窓会ホームページ
     以上述べてきましたように、電気系同窓会が新たに目指すソーシャルネットワーク化を促進する仕組みとして、平成19年の5月に同窓会の新たなホームページの試行版を立ち上げます。

     この試行版ホームページは、従来の会報に掲載されている情報に加えて、新たに会員の動きを見せる機能を充実させる予定です。その目的のために、同窓会ホームページは分散型ページを前提とします。すなわち、ホームページは大きく本体部分と、80に及ぶクラスや研究室やワーキンググループなどの各種のセグメント単位でのブログ(日記風簡易ホームページ)部分とで構成される分散形態をとります。すべてを事務局が一括して編集する従来型のホームページに比べ、クラスや各種セグメントが分散的に編集することにより、情報の即時性が担保できます。あるクラスの30年会の模様は、1週間も経たないでホームページに登場することでしょう。訃報は特にクラスのブログで即時に流れそれがホームページに流れるようになります。

     しかし、「クラスでブログを立ち上げるなんてとてもたいへんそうだ」との意見もあるかと思います。しかしブログは日記風簡易ホームページと別名で呼ばれるとおり、インターネットを閲覧できてワードで資料を作成することができる方であれば扱いは実は簡易なのです。さらに事務局ではブログ立上げを支援するプログラムを用意して、クラスのブログ活用を支援する予定です。このようなソーシャルネットワークづくりを支援する仕組みも併せて考慮していきます。

     試行版ホームページでは、広告バナーや先輩ページの掲載に際して掲載料をいただく試みも開始します。掲載料収入を徐々に増やして同窓会の財政を安定化する方向を模索していきます。

    6. 今後の予定
     1) 試行版ホームページ(平成19年5月)試行版ホームページは、従来どおり5月に発行する会報51号と並行してスモールスタートでキックオフします。5月時点での試行版ホームページでは、クラス単位のブログとのリンクもまだ限定的な状態です。今後各クラスのブログ立上げと並行して1年間の試行を経て、平成20年度からの本格運用を目指します。この間、会員皆様からのご意見をネット上で伺うなどしながら、新たなソーシャルネットワークづくりを促進します。
     2) 総会(平成19年6月30日) 次回の総会では、同窓会のあり方や今後の進め方に関して会員の皆様のご意見を伺う場を設けます。ソーシャルネットワーク化をテーマとした講演会やパネルも計画しています。さらに、クラス会ブログの立上げに関しても講習会などを予定しています。皆様の積極的なご参加を期待します。

    7. 新たな展開に向けて
     最後に、電気系同窓会というソーシャルネットワークは決して排他的なコミュニティではないことを皆様にはご賢察いただけると思います。むしろさまざまな社会コミュニティと積極的に接点をもつ開放的な役割を担うことが期待されます。東京大学電気系同窓会の会員がソーシャルネットワークを活用して、業界、日本さらには世界をリードする輝かしい成果を生み出すかもしれません。また、ある会員は自分の地域社会をよくする地道な活動にこのソーシャルネットワークを活用するかもしれません。会員一人一人にとって同窓会の役割は異なるものとなるでしょう。それこそがソーシャルネットワークの意義だと思います。

     半世紀にわたってこれまでの役割を担ってきたわが電気系同窓会にとって、いままさにチャレンジャブルな新たな半世紀が始まります。同窓会というコミュニティがソーシャルネットワークとして活力ある役割を果たすようになるには、まだ時間がかかると思いますが、ビジョンの共有、会員自らの努力、そして会員の相互協力により新たな電気系同窓会を実現していこうではありませんか。(取りまとめ:渡部、新谷、赤松、相澤、三浦、年吉、岩本)

    同窓会名簿のオンライン化

     電気系卒業者の名簿は、明治12年から現在に至るまでの、電気系卒業生約6000名を収録するデータベースです。卒業年次や所属企業ごとに卒業生が分類されており、卒業生の活躍の状況を知る貴重なデータベースとなっております。
     しかしながら、近年の状況変化により、下記のような問題に直面しております。

    1. 個人情報保護法の施行により、名簿掲載には本人同意を得ることが望ましいとされていること。
    2. 企業の合併や分割、転職や転籍が頻繁に行われるようになり、名簿の掲載内容の陳腐化速度が速くなり、名簿更新作業の業務量が増加していること。
    3. 若年層になるほど、同窓会会員の組織率が下がり、会費収入に占める名簿作成費用が増加傾向にあること。

     これらの問題点を解消するため、東京大学卒業生室および東京大学学友会と連携して、同窓会名簿をオンライン化し、Webベースで活用するための検討を開始しました。2007年6月の同窓会総会には、具体的な構想を提示する予定で準備作業を進めております。(取りまとめ三浦、池田)

    駒場生への電気系企業紹介

     駒場生に電気系学科を進振り先として選んでもらうために、電気系学科では数年前から1年生後期向けの数理・情報一般総合科目を開講しています。本年度は「わかる電子回路」と題して電気工学科の三田吉郎准教授が担当されています。

     同窓会(特に企業側)としても学科によるこのような取組みにご協力するために、駒場生にとって魅力的な将来進路をアピールすべく、企業見学会を開催しました。第1回目となる本年は、2月28日(水)に日立製作所のユビキタスプラットフォームグループ(戸塚)と、中央研究所(国分寺)の見学会を開催しました。

     引率の三田吉郎助教授(現在、准教授)、山﨑俊彦講師以下約30名の学生さんが参加してくれて、電子回路の応用製品の数々とそれらを支える研究開発の最前線を見学していただきました。戸塚から国分寺へ移動するバスの車中での歓談および、見学終了後の懇親会における多数のOB 社員との交流を通じて、電気系卒業生の充実した職場を実感していただけたかと思います。来年度以降も企業各社のご協力をお願いし、駒場生向けの電気系学科PR を進めたいと考えています。(取りまとめ畠山、新谷)

    活性化ワーキンググループのメンバ

    ( )内は学部卒年次
    新谷洋一(75)、渡部直也(75)、畠山靖彦(76)、土井美和子(77)、赤松宏(80)、相澤清晴(83)、谷英明(83)、廣瀬明(85)、池田誠(91)、年吉洋(91)、三浦剛志(91)、岩本敏(97)

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