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  • 高尾山/齋藤嘉博@クラス1955

      眼に眩しい新緑、爽やかな風、青い空。日本では最高の季節の今、コロナが止まりません。敵は技術革新を進めてつぎつぎと新しい武器を作って変身している様子。一方防戦の側はワクチンもままならないなかで不要不急は避けて、どこにも出ないで家にいて、お酒はやめての灯火管制。と言っても働き盛りの方達が家に籠るのは無理というものでしょう。すべて一年前のgo to政策のむくいです。しかし老い先短い身体、ぼんやりと過ごしてばかりはいられません。コロナを避けて不急不要の散策を考えるのもボケ防止への一計。

      なるべく電車の混雑を避け、時刻を選んでとの思案。昨年から高尾山のハイキングに興味を持っています。高尾山は国定公園、山頂から何本ものしっかりしたハイキングコースが用意されていて年寄りでも歩くことのできるのが嬉しい。歩かれた諸兄も多いと思います。

      我が家からは京王電車を使って1時間余で高尾山口に。通勤時間帯、逆コースの電車は空いています。標高200mの清滝駅からケーブルカーで470mの山上駅まで上がって猿山の公園を左に見ながら舗装された薬王院への参道を。浄心門をくぐるとその先に男坂と女坂への分岐。男坂は108段の石段でこれはきつい。右にぐるっとまわるのが女坂。これもかなり急な坂道ですが休み休みあがれば同じところに出ます。

      薬王院の下にある小さな広場では二体の天狗様の像がお出迎へ。お参りをしてここから山頂まであと20分。標高599.3m、の山頂には下から歩いて登ってきた何人かの若い方達が。西に富士山を望むことが出来ます。
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      山頂からは1号路から6号路、それに稲荷山コース、いろはの森コースと8本のハイキングコースが用意されています。これを歩いてケーブルの下駅まで降りるのに若者の脚でいずれもほぼ100分。わたしの脚で二時間弱。コースは急な下り道、木桟道など整備はされていますので安心して歩くことが出来ます。

      昨年はまずいろはの森コースを。この道だけは山の北側に下りる筋で、山頂に近い降り口から木の階段がしばらく続く非常にきつい急坂。それ以降も杖が必要な急な坂道が続きます。日影キャンプ場を過ぎればもう坂道も終り。JRの高尾駅と相模湖駅を小仏峠を越えて結ぶ旧甲州街道の日影バス停に出ることが出来ます。

      1号路、薬王院への表参道は都道。舗装されていて車が通ることができますが、かなり急な坂道で、下りはかえって歩きにくい。景色もあまりないし、つまらん道です。しかし途中、ちょっと本道からそれたところに金比羅神社のお社があって、八王子方面の展望台になっています。ここでランチをという次第。

      3号路はカツラ林コースで山頂から表参道途中の浄心門まで。下には降りません。それだけに急な坂道は山頂に近いごく短い区間だけであとは軽いアップダウン。林の中の歩きやすい散策道。この道を歩いたとき、後から来た老ご婦人が話しかけてきました。「おいくつですか?私お会いした方々のお年を伺うのが楽しみなんです」と。お元気そうな方で私は八十七才なんですがと言われる。「さてずいぶん長く生きているのでもう齢は忘れましたが昭和三年生まれなんです」と返事をしましたら、「あら!もう90歳以上!お声をかけた方で90歳以上の方は初めてです」って。すぐ計算ができるなんて、このご婦人はずいぶん達者です。しばらくお話をしたあと軽い足取りで先に歩いて行かれました。いつまでもお元気に歩かれますように。

      6号路のびわ滝コースはむかし子供と一緒に何回か歩いた記憶がありますが、今年はじめは道の補修中で歩くことが出来ませんでした。たくさんあるコースのなかでは一番人気のあるコースで、修復も終ったようですので近いうちに歩いてみようと思っています。その道にほぼ平行して尾根を歩くのが稲荷山コース。それほどきつくはない下り道に折々軽い上がりがあって快適なハイキングコースです。途中稲荷山の展望台では南に開けた展望を楽しむことが出来ます。

      4号路は山頂付近から一旦北側の谷に降りて吊り橋を渡り、ここから山道を上がってケーブルの山頂駅付近に出る道ですが、その上りを嫌ってまだ歩いていません。しかし距離は短いのでゆっくりと時間を採って歩けばいけるだろうと、吊り橋の感触をこれからの楽しみにとってあります。

      帰りは再び高尾山口から京王電車で。2時ごろの電車はガラガラですのでコロナの心配もなく気分よく一日を終えることが出きるという次第。行きたいところ、歩きたいところは沢山あるのですが、とにかく早くコロナが終息してくれないと動きが取れませんネエ。諸兄お元気にお過ごしくださいますように。

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