野鳥公園/齋藤嘉博@クラス1955
記>級会消息 (2016年度, class1955, 消息)
諸兄は次の十二の花の名のうちいくつを読むことができるでしょうか?【四手辛夷、あめりか凌霜花、あめりか大木角豆、接骨木、扉、唐種招霊、令法、梔子、南京櫨、梅嫌木、扉、三椏】
高橋編集長は毎月マメに季節の花だよりを載せてくださっており、季節感とともに大変植物の勉強になっています。その源は大船植物園、小石川植物園、そして新宿御苑からの取材もずいぶんたくさん見られます。上記の難しい漢字は昨年新宿御苑のビジターセンターに掲げられていたもので、初級、中級、上級のうち上級とされた27個の名前の中から拾ったものです。答えはこのブログの次号に。
一月初旬の新宿御苑にはまだ寒緋桜も蝋梅も芽が固く、この時期は水仙が見ごろです。昨年は雪のためにこの水仙は全滅でしたが、今年は立派に花を開いていました。花の少ない冬は野鳥の時期です。丁度野鳥の写真展がビジターセンターで開かれていました。川口市のY氏撮影の魚をくわえて今木にとまろうとしている瞬間のミサゴ。ズミの実をついばむツグミは長野のS氏の撮影。大変いいチャンスをとらえた美しい写真でした。おそらくずいぶん長いこと追った成果でしょう。花の写真と違って鳥は住所不定。どこに現れいつ飛び立つかしれないしろもの。御苑のなかでも500mm、600mmといった大きな望遠レンズを付けたカメラに重い三脚を担いでいる何人かのかたを見かけます。
ビルのラッシュで住むところを追われた鳥たちは木々の多い公園に移住します。御苑のほかにも明治神宮、代々木公園など。このあたりに集まる野鳥はメジロ、ヒヨドリ、コゲラ、ムクドリ、シジュウガラ、オナガなど比較的なじみの深い鳥たち。御苑の中の池にはいつもカルガモなどが遊んでいます。代々木公園のバードサンクチュアリーもひと時よりだいぶん整備されて囲い網の外から小さい川の流れ、滝をみることができるようになりました。もっともこうした整備は鳥にとってはいいのかわるいのか。
東京近辺にはいくつかの野鳥公園があります。過日東京港野鳥公園に行ってみました。大森駅からバスで15分ほど。江戸時代にはノリのよい漁場であったところです。一旦は工場用地などとして埋め立てられた場所ですが海浜野鳥保護のために醸成されたとか。24haという狭さですが付近のJR貨物操車場の騒音もさえぎられて静かな森のなかを楽しめます。 | |
写真1 東京湾野鳥公園 |
望遠鏡を備えたネイチャーセンターのほかに数か所の観察舎が出来ていて、池を泳ぐ数羽のシギを望見することができました。葛西臨海公園の水族園(水族館)の隣にやはり野鳥園ができていて観察舎もありますが、これもなかなか鳥の姿に出会うことが難しいようです。
代々木公園、明治神宮などに近いせいでしょうか、街の中の狭い我が家の庭にも野鳥はやってきます。秋11月、木の実の少ない時節になると家内が庭の餌台にパン屑などを置いています。ここにスズメ、ムクドリ、四十雀など。時にはアカハラがやってきて餌を食べています。このところ青色の羽のきれいなオナガのギャーっという声が聞こえなくなりました。都市開発によってねぐらを追われたのでしょうか。その代わりにインコが来るようになりました。インコは飼鳥ですから野鳥ではありませんが、多分鳥かごから逃げ出したものが野生化したのでしょう。
上記御苑の野鳥のバード名簿にもインコが載っているのですから。家内がインコの向けの好物であるひまわりの種を餌台に置きますと多い時には10羽ほどのインコがやってきます。
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写真2
餌台に集まるインコ
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写真3 インコも御花見
(2015年4月撮影)
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はじめのうちはインコの姿をみてスズメは逃げたものですが、この頃は平和協定ができたと見えて大小一緒に餌台に乗って西原レストランを楽しんでいます。きれいな緑と黄色の羽色は見ていて大変豊かになります。
しかし餌を置くために家内が出ますと鳥たちはさっと電線の上に避難。悪さをしないことが分かっているのですから「肩にでも留まって挨拶をすればいいのに」と家内は言いますが、そこはペットと違ってなんの愛想もありません。自然の様子をそのまま楽しめるのが野鳥のいいところなのでしょう。やや寒さが和らいだ2月、ピラカンサの実がすっかり熟したころに多数のヒヨドリがやってきてあっという間に赤い実がすっかり無くなってしまいます。鳥たちは実の食べごろをよく知っているようです。
すこし遠出をすれば戸隠山は野鳥の宝庫ですし、鳥というと私が思い出すのはエバグレーズ国立公園です。アメリカのフロリダ州の南端、マイアミから車で1時間ほど南西に走ったところにあります。その面積は4000ha。代々木公園の100倍の広さ!北部の湿地帯をあわせると関東地方より大きい面積になるそうです。ペリカン、鷺、Anhinga(へびう)など日本の野鳥とは違って大型、小型をあわせて様々なとりがワニと一緒に遊んでいます。しかし野鳥というにはちょっと違和感がありますので、これはまた別の機会にご報告いたしましょう。
鳥を求めて歩くと自然に自然の中に入っていくことになります。それが野鳥の魅力なのでしょうネ。
2017年2月1日 記>級会消息
もう何年も花便りを出しているのだから、読める花の名前があっても不思議ではないのに、一つも読めませんでした。扉が2個あるから、十一個の花の名前ですね。Webで読み方を調べたら九個の花の名前が判りました。その中で、花便りで既に取り上げた花が2個ありました。
三椏(みつまた)と扉(とべら)です。三椏(みつまた)は(2012年4月1日号)、扉(とべら)は(2016年6月1日号)で取り上げていました。ブログの記事に過去に書いているのに、急に漢字の文字だけがあって読めるかと聞かれると全然読めないのは、実際に自分の手で字を書いていないからだと思います。残念です。
まだ読めない花の名前が2個ありますが、さいとうさんの次号の答を楽しみにしています。
コメント by 高橋郁雄 — 2017年2月1日 @ 17:32