仔犬/斎藤嘉博@クラス1955
記>級会消息 (2013年度, class1955, 消息)
もう大分前から、家内が“犬を飼いたい”と言っていたのですが、家の中は汚くなるし、死んだときの嘆きのことも考えながら、私はその意向を拒否していました。
しかし私がいなくなった後、犬がいれば家内の慰みにでもなろうかと、今年になって「俺は犬の糞をさらいながらの散歩には絶対に行かないよ」という条件でOKをだしました。
家内は娘と二人で二子玉川のペットショップに行って、体長30cmあまり、生後三か月、メスのノフォークテリアを買ってきました。 | ||
ココちゃん1
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ココちゃん2
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ノフォークと言えばロンドンの東北。101匹ワンちゃんがクルエラに幽閉されたエセックスの北隣りの県です。おそらく比較的寒いところでしょう。テリアはその辺りでキツネ、野ネズミを追うために飼育されたと言います。
犬を飼っておられる方も多いでしょうからご存じと思いますが、それからが大変。昔は庭の犬小屋に犬をつないでおくというのが相場でしたが、この頃の小型犬は家のなかで飼うのが常識とか。性格もあって三か月の赤ん坊というのにすばしこいこと。部屋のなかを猛烈なスピードでネズミのように走り廻ります。おしっこ、うんちをする場所のしつけから始まって、幼稚園にいくの、しつけ教室に通うのと手間のかかること。月に一度ほどはシャンプー、ヘアカットに行くって!しかし言いだしっぺの家内はそれが当然といったように、予想通り私のことは放っておいても犬の世話は欠かしません。
この頃は犬のしつけ方も大変甘いようです。昔なら悪いことをすればお尻をひっぱたいて教育したのに、いまはパワーハラスメントはかえって犬を委縮させるだけとか言って、「ダメ!」と叱ってそれをやめたときに、「いい子!いい子」なんて言いながらご褒美の餌をやる始末。悪さをやめれば褒めてご褒美がもらえるのですから、ワン公のほうは餌欲しさに悪いことをすると覚えるのに決まっています。だいたい体罰というのは動物の教育にもっとも適した方法で、いまでもサーカスでは象やライオンの飼育には鞭とアメ。犬でも人間でもそうだと思うのです。近ごろの社会は異常に体罰に反応しています。マスコミの報道のせいでしょうか。
しかし犬の動きを見ているとなかなか興味深いものです。食事の前、台所で家内が準備をしていると、それと察しての喜びよう。ケージのなかでピョンピョンと跳ねまわっています。ケージの扉を開けるとたんにダッシュ!やはり動物は食べることが一番。街にレストランやケーキ屋などが多くなるはずです。ケージから飛び出してくる犬の様子を見ているとアルカトラス島の囚人を連想します。島での囚人たちの楽しみは食事と時間を限られた広場での運動だけ。知恵を絞って脱走したくなるのも無理はありません。
家内は「犬のきもち」なんていう雑誌だか本だかを買ってきて勉強をし、飛び回るのはこんなとき、吠えるのはこんなときと説明してくれますが、小生は「その本って犬が書いたの?犬になった経験のない人間がまことしやかにいろいろ言っていることなんて信用できるもんか」と冷たくあしらっています。
餌の入った鉢の中に顔を突っ込んで舌でなめまわす犬の食事は何ともぶざまです。前足をもうすこし上手に使えないものかと思います。例のルーシーと話をしたときにも話題になりましたが、やはり人間の知恵の発達は前足、イヤ手の動きに重要なヒントがあるようです。手というよりも指の動きと言ったほうがいいでしょう。10本の指を自在に操ることによって細かい動作ができ、脳を訓練し刺激しているようです。だから工作をしたり楽器をいじったりするのはボケ防止に大変有効なのでしょう。みなさんはピノキオのディズニーアニメで最後のところ、ピノキオがおじいさんを助けたという善行のために人形から人間になるのですが、その瞬間にそれまで4本だった人形の手の指が5本に変わるのをご存じでしょうか。5本の指こそが人間の象徴。擬人化された動物の指は4本しかないのです。
などと想いながら犬の様子を観察していますが、我が家に来てもう半年。このところ大分大きくなってワルサもツボに入り、小生は神経の休まるときがありません。それでも私がゆったり椅子に座っていると、膝に上がってきて顔をぺロぺロと舐めまわします。親愛の表現なのでしょうか。若い女の子がキッスしてくれるのもこの年になると犬ぐらい。とまんざら悪い気はせず、ときには食卓の下でオスワリをしているところにそっとリンゴをやったりしています。
2013年7月11日 記>級会消息
「犬好きの奥様とNegativeなダンナとの半年間に亘る生々しい記録」大変面白く読ませて頂きました。後日談も期待しています。
小生はペットに興味ありませんが、コミュニティとしていつも話題になっているので関心は持っています。小生の住んでいる横浜パークタウンは1000所帯ほどのマンション団地ですが、管理組合規約によりペットの飼育は禁止されています。しかし実態はペットを飼っている所帯がかなりいるようで、規約が守られていないのが実情です。管理組合もビラを貼ったり、広報誌で注意喚起したり、いろいろ対策を打ってはいるのですが、なかなか決定打が見つからず苦労しているようです。
コメント by 大曲 恒雄 — 2013年7月11日 @ 10:48