コナコーヒー/斎藤嘉博@クラス1955
記>級会消息 (2012年度, class1955, 消息)
コーヒーを飲む方は多いと思います。いや多いどころか皆さん多かれ少なかれコーヒーをたしなんでおられることでしょう。コーヒー通と自認していらっしゃる方もおられるかもしれません。
コーヒーといえばジャマイカのブルーマウンテン、タンザニアのキリマンジャロ。私はグアテマラが一番の好みでした。あのやや酸味がかった比較的軽い味が気にいっていたのです。好みでしたと過去形で書いたのはこの10年ほどそれが変わってコナのコーヒーを好んでいるからです。
過日ハワイ島でUCCのコーヒー園を訪ねました。空港からコナの街に至るハイウェイと平行にマウナロアのすそ野、標高700mほどのところを走るやや狭い道はコーヒーベルトと呼ばれ、そのあたりコーヒー農園が連なっていて、その中ほどカイルアコナの街を見下ろすところにUCCコーヒーの農園があります。この島にくれば必ずここを訪れますので松尾所長とももうすっかり仲良くなりました。
私のUCCコーヒーとの関わりはムサビの時代に遡ります。神戸市役所にお勤めだった諸岡さんは1981年の神戸ポートピア博覧会の設定に大きな貢献をされて、博覧会終了後にその一つのパビリオンであったUCC館、後にUCCコーヒー博物館の館長になられました。これはおもしろそうな方だと私の講義に講師としてお招きし、数回、博覧会など大型遊興施設のシステム設計についてご講義をしていただきました。博物館学会を設立されるなどなかなかの活動家で、ミュージアムマネジメントの著書にはお誘いを受けて私も共著の仲間になりました。そしてコーヒーのおいしい飲み方をいろいろと教えてくださいました。
そんなことが縁でコナの農園とも仲良く、今年はゆっくりとコーヒー焙煎の実習をしてきました。ここのコーヒー豆は手摘みですので赤くなった実だけが収穫されます。その皮をむいて乾燥させたものが一次産品。これを炉にいれて初めの5分はじっと待って、パチパチと皮のはじける音が2回しておわったころ、そこからの5分で焙煎の程度が決まります。浅い煎りはlightからCinnmon、8段階あって一番深いのがItalian。カプチーノに使われます。煎りは浅いほうが酸味が強く、煎りが深くなるにつれて苦味が増すと言いますが比較してみるとちょっとした時間の違いでずいぶん変わってきます。煎った豆はファンで冷まして完成。あとはグラインダーでおなじみのコーヒー粉に。
昔はよく自宅でサイフォンを使いました。これはコーヒー作りのパフォーマンスとして恰好いいのですがフィルターのネル布の洗濯がめんどうでこのごろはほとんどコーヒーメーカーを使っています。ホントはコーヒーメーカーで作るのはいけません。そこに何ら手を入れる余地がないからです。日本茶を入れるときにも気になるのですが、急須にいれるお茶の量、お湯の温度、そして立てる時間の三次元要素によってその味は非常に違います。拙宅では安い煎茶を使っていますが、湯温は67度、お湯を注いでから注ぐまでの時間は1分50秒にしています。しかしお茶の銘柄や注ぐまでのちょっとした時間の長短でその味が大変違うことがわかります。そこでお茶の袋によって調整するのですが、コーヒーメーカーではそれがすべてお任せ。これではおいしいコーヒーは出来ないでしょう。
コナコーヒーをブラックでゆっくりとその苦味を味わうのは大変こころが休まります。おいしいケーキがあればなおのこと。2月のコーヒー園はコーヒーの実も花もなくさびしいものです。「赤い実がたわわになる秋にぜひ来てください。とてもきれいですよ」と松尾さんに言われているのですが。
コーヒーというともう一つ、私には平塚カントリーの朝のコーヒーがとても気に入っているのです。この一杯を飲まないとスタートが出来ません。なにを使っているのか聞いてみると普通の営業向けのUCCコーヒーでした。「これ少しくれない?」と粉をもらってきて家で入れてみましたがそれほどおいしくはありませんでした。入れ方が違うのでしょうか。というよりもこうした嗜好物は雰囲気が重要な役割をするのかもしれません。
夏場はアイスコーヒーのシーズンです。最近までアメリカにアイスティーはあってもアイスコーヒーはありませんでした。そういう習慣がなかったようです。しかし近ごろ日本人がおおくなったせいでしょうかメニューになくても注文すれば持ってきてくれるようになりました。
コナコーヒーはブルーマウンテンほどには高くはありませんので機会があれば一度味わってみてください。もっとも日本で売られているものはほとんどブレンドになっていますが。
2012年4月11日 記>級会消息
コーヒーはほとんど飲まないので、的外れのコメントかもしれませんが、だいぶ前に、フィリピンのマニラ近郊に仕事で出かけたとき、数人の日本人グループと、マニラから車で数時間の山地にあるコーヒー栽培地に行きました。多くの人は、そこで沢山コーヒーを買っていました。初めから、そのつもりで出掛けたようです。よいコーヒーだとか言っていました。多分、値段の割によい、という意味だと思いましたが、アジアでも、気候風土さえ合えば、コーヒーのおいしいのが出来るのかと思った次第です。
コメント by 武田充司 — 2012年4月13日 @ 20:47
フィリピンはあまりコーヒーを輸出していないようです。コーヒーベルト(南北回帰線の間)では気候条件が整えばコーヒーが出来ますので市場には出ないよい隠れコーヒーがあるのかもしれません。一度味わってみたいものです。
コメント by サイトウ — 2012年4月14日 @ 23:01