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  • ローテンブルクのお祭り/大曲恒雄@クラス1955

     ローテンブルクはドイツ南部、有名なロマンティック街道の中核都市である。


    高台にあって街全体が城壁(正式には市壁と言うらしい)に囲まれている。中世の街並みがよく保存されていて、ガイドブックの表現を借りれば「街並み全体が中世を再現したスタジオセットのよう」となる。
     17世紀の30年戦争の時、ここを占領した旧教徒側皇帝軍の将軍ティリーが抵抗した市参事会員たちの首を刎ねようとした。所が、フランケン・ワインを勧められていい気持ちになった将軍が大ジョッキを手に「このワインを飲み干せる者がいれば斬首は許してやる」と失言。そこで、年老いた市長ヌッシュが進み出て何と3L余りのワインを一気に飲み干し議員たちは刑を免れた。こ

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    $00A0  ローテンブルク
       マルクト広場

    うして老市長は英雄となり、街をあげての盛大な祭りへと発展した。
     これが「マイスター・トゥルンク」と呼ばれる歴史劇で、イースターから50日目の精霊降臨祭のハイライトとして毎年市民により4日間に亘って演じられる。出演者は子供からお年寄りまで幅広く、また近隣の町や村からも敵軍の兵士に扮して応援に駆けつける。メインステージは市庁舎のホールだが、野外劇を含む大規模なもので街全体が舞台になっている。

    「マイスター・トゥルンク」について興味のある方は下記を参照されたい。
    http://www.ab-road.net/europe/germany/rothenburg/guide/03316.html

     2001年6月、ローテンブルクを訪れたときはちょうどこの「マイスター・トゥルンク」が終わった所だった。フィナーレを飾るイベントが夜マルクト広場で開催されると聞いて市庁舎の石段で待機し、じっくり見学・撮影することができた。
    (写真左側の建物が市庁舎、右が市議宴会館。市議宴会館の時計両脇の窓には時間になると将軍と市長が現れ、市長がワインを飲み干すコミカルな姿が見られる。)

     午後8時(まだ明るい)楽隊を先頭に入場行進開始。沢山の人たちが参加していて、それぞれ中世風の衣装に身を包み楽しそうに行進する。劇が終わったばかりなので劇の扮装や化粧そのままで参加しているようで、仮装行列風のイメージあり。中には行進の途中で踊り出す一団もいてお祭り気分が次第に盛り上がる。
     入場行進が終わり参加者全員が広場中央に勢揃いした所で市長の挨拶があり、ラインダンス隊が並んで踊り始め、改めてパレードがスタート。広場を何度も何度も回りその度にボルテージが上がって行く。広場全体に踊りの輪が広がったり、大合唱が始まったり、すごい盛り上がりで圧倒される感じだった。

     三脚の上につけたビデオカメラを高く掲げた“潜望鏡スタイル”で撮影、約30分間カメラを回しっぱなしだったが、今回これを12分ほどに再編集し、YouTubeに投稿した。
    (画面右下、矢印が4つあるキイを押すとフルスクリーンモードになる。戻りはEscキイ)

    1件のコメント »
    1. 私も昭和49年(1974年)6月に、仕事で
      ドイツ・エルランゲンのジーメンス本社に滞在していた時、休日にローテンブルグへ観光に行ったことがあるのを、思い出しました。市庁舎前の広場で仕掛時計の演奏を見たり、城壁に開けた矢を射る穴など、中世の名残を興味深く見ました。

      コメント by 井村 英一 — 2011年3月16日 @ 09:43

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