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  • 新任のご挨拶/加藤雄一郎

    2007年4月1日付けで工学系研究科総合研究機構の准教授として着任いたしました。私は2000年に慶應大学理工学部物理情報工学科を卒業後、カリフォルニア大学サンタバーバラ校物理学科博士課程に進学し、David Awschalom教授のもと、半導体スピントロニクスの研究に従事して参りました。2005年にPh.D.を取得し、その後はスタンフォード大学化学科にてカーボンナノチューブの電界発光に関する研究に携わり、2006年からは科学技術振興機構さきがけ研究者として研究を進めて参りました。この度幸運にも工学系研究科の若手育成プログラムに採用され、主専攻を電気系として研究室を立ち上げることになった次第でございます。

    サンタバーバラ在籍時は、磁性の根源である電子スピンを非磁性の半導体中で制御するために、相対論的な効果であるスピン軌道相互作用を半導体構造中で利用し、スピンホール効果など新しい物理現象を観測する機会にも恵まれました。スタンフォードでは直径数ナノメートルのカーボンナノチューブから電界印加時に発生する光子を検出し、電界発光の物理的理解に努めてまいりました。今後は超高速時間分解分光やナノデバイスに関する経験を生かし、電子や光子を一つずつ制御することを目指して量子オプトエレクトロニクスの研究に取り組んでいきたいと考えております。

    今は試行錯誤の毎日ですが、伝統ある東大電気系のさらなる発展に向けて、微力ながら努力精進いたす所存でございます。若輩者ゆえに至らない点もあるかと存じますが、ご指導・ご鞭撻を賜りたく、何卒よろしくお願い申し上げます。

    (平成12年慶応大学物理情報工学卒 工学系研究科総合研究機構准教授)

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