• 最近の記事

  • Multi-Language

  • 充実した海外インターンシップを体験しよう(現役学生の皆さんにおすすめ)/廣瀬明

    廣瀬明です。かなり昔、1985年のお話しです。私は学部4年の夏に、学科の掲示板で「イアエステ」という組織が海外インターンシップに行く学生を募集していることを知り、これに応募してみました。そして、修士1年の夏に、メキシコの当時唯一の民放テレビ局で3ヶ月間、働くことになりました。

    初日に学んだことは、青信号だというだけで交差点を渡っていては車に轢かれることと、次のひとのためにドアをしっかり押さえること、です。ホストファミリのセシリアおばさんに日常の世話になりながら、テレビ局に通いました。たとえば写真のようにスタジオに詰めて女優さん方と握手をしたり、壊れたビデオカメラの修理をしたりして過ごしました。午後2時頃になると昼休みとなり、皆2~3時間でお昼を食べ十分休憩してまた職場に戻ります。いわゆるシエスタです。本場のテキーラの飲み方も、この時にドラマのディレクターさんに教わりました。文字通りラテン系で陽気な職場の皆さんと一緒に楽しく過ごしました。悲しい話では、日航機の事故を、ちょうどテレビ局のモニターで知ることになりました。私の場合、海外インターンシップは、科学技術的側面よりも、むしろ大枠から細かいところまで種々に異なる習慣や常識、論理、雰囲気、音や匂いに、悩み楽しむ経験でした。その意味で大変充実したものでした。その後の自身を変えるものになりました。

    当時には想像もしなかったことですが、現在、私は東京大学イアエステ委員会の委員長を仰せつかっています。イアエステ(http://www.iaeste.or.jp/)では学生が充実した海外インターンシップを体験できるよう、さまざまに工夫をこらしています。また2005年ごろから東京大学をはじめ主だった大学で海外からの研修生を受け入れる、引き受け事業も始めました。欧州では大学が引き受けるインターンシップも、企業が行うものと同様に重要で、イアエステはこれらを区別なく扱っています。日本でも同様のシステムがようやく稼動し始めたのです。今年(2009年)も東京大学に20名を超える海外の学生がインターンシップに訪れています。丁友会と共催で歓迎会も行っています(http://www.eis.t.u-tokyo.ac.jp/news/20090724IAESTEWelcome/)。東京大学の国際交流の重要な柱の一つになっています。また東京大学の研修内容は、概して高い評判を得ています。

    私の場合、それは現在でも生き生きと続いています。時折、十年後、二十年後に、テレビ局の方々や関係の学生が、日本に訪ねて来てくださることがあります。不思議なことに、長いブランクの後で年をとっても、会って顔を見れば互いにすぐにわかり、そして我が家で懐かしい話ができます。これも本当に幸せな有り難いことだと感じています。

     働いていた現場のスタジオで。
    体型はわずかに変化したかもしれない。

    コメントはまだありません »
    Leave a comment

    コメント投稿後は、管理者の承認まで少しお待ち下さい。また、コメント内容によっては掲載を行わない場合もあります。