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  • 新任のご挨拶/河野崇

    2006年10月1日付けで課程担当となりました生産技術研究所マイクロメカトロニクス国際研究センターの河野と申します。よろしくお願いいたします。専門は神経形態学的システムで、神経細胞の機能を再現する電子回路であるシリコンニューロンと、そのネットワークを主な対象としております。学部は医学部、大学院は計数工学専攻の出身でして、学部では脳研生理などでほんの少しですが神経科学の実験面を経験、大学院では神経の非線形モデルの解析などについて学びました。電子回路設計につきましては、20年来の趣味としてアナログ、デジタル回路について独学で学んでまいりまして、特にデジタル回路につきましてはFPGA上に独自設計の8ビットCPUを用いたシステムを構築し、業界紙に取り上げていただくなどの活動をしております。残念ながら個人の趣味の範囲ではアナログ集積回路を扱うことができず、つい最近勉強を始めたばかりですが、これらの経験を生かし、この分野の学際的研究のほんの一部でも担うことができればと考えております。これまで、神経の非線形モデルの数理的な解析手法を応用し、非線形常微分方程式のもつトポロジカルな構造に着目し、分岐解析を併用することにより、従来に比べてよりシンプルかつ現実の神経に近いシリコンニューロンを実現することのできる新しい設計手法について研究して参りました。現在、この設計手法に基づいたシリコンニューロンを、MOS?FETのサブスレショルト動作領域を用いたアナログ回路によるもの、およびデジタル回路によるものの2種類扱っております。今後は特にシリコンニューラルネットワークの構築に重点を置き、シリコンシナプスの設計と学習則を扱いたく思っております。当面はパターン認識などのセンサからの情報処理や、運動パターン発生などのアクチュエータ駆動を行うネットワークの構築に着目する予定でおります。応用としては、MEMSセンサからの情報の処理およびMEMSアクチュエータの制御を行うニューラルネットワークを、MEMS機構に融合できる形で実装することを考えております。これにより、生体システムの感覚器における情報の前処理や、運動器における入力情報の解釈に類した処理を行うことのできる、「インテリジェント」なMEMS機構を実現できると考えております。非才ではございますが、是非ご鞭撻いただきたく思っております。よろしくお願いいたします。

    (平成8年医学科卒 生産技術研究所准教授)

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