同窓会の近況/理事長 青木利晴
我々電気系の卒業生の同窓会が設立されたのは昭和32年、すでに56年の年月がたちました。会員数も昨年209名の新入会員を加えて総数9,180名になりました。おかげさまで長い歴史に培われ、東京大学全体のOB会の中でも会員数が多く活発な同窓会として際立っております。活動や財政につきましてもそれなりに安定していますが、電気系の学問研究や産業の変化、そして若い方々の考え方などの変化を考慮しますと、同窓会におきましても会員のご要望の多様化に、適確にお応えする活動が必要になってきています。
ところで同窓会といえば、学年ごとのクラス会は活発ですが、あくまでそれぞれの学年に留まっており、この電気系同窓会こそすべての学年を縦断する場を提供するものであります。それゆえにどのような立場の方でも会員すべてにとって有意義で、多様なご関心に常に応えられる会でありたいと、改めて役員一同が認識しているところです。
この視点に立って、とくに2007年から先輩の役員評議員の方々をはじめ各クラスの幹事の皆様が活性化にご努力され、同窓会の活動が一段と活発になってまいりました。ご承知のように2007年から5年をかけて活性化を支える基盤作りを行い、会報等の情報発信や名簿のICT化、すなわち同窓会ホームページ・クラスブログ・地方本部ブログ・Web名簿・会員一斉メールなどを具体化することにより、情報提供が大いに活発化して会員の皆様の同窓会への関心も高まり、同窓会イベントや総会への参加者も増えてまいりました。
昨年の総会は、東京大学全体のホームカミングデイに合わせて開催され、まずシニア世代を対象に、タブレット端末による実体験ワークショップを開き、タブレット端末の使い方とアプリケーションの例を体験しました。続いて「日本の持続的成長に向けたエネルギー問題」をテーマに3人の講師の講演の後、パネル討論が行われ、会場から様々な視点からの活発な意見が出されました。その後総会が開かれ、総会後は同窓生の懇親会が開催され、充実した企画を出席者一同が楽しみました。この総会以外でも地方ごとのコミュニティや年次を縦断した共通の関心を持つコミュニティやサークルが形成され、それぞれでの活動が始っています。
また同窓会としては、若い方々の理系離れ対策などを議論したことをきっかけに、2011年からは、電気系の現役学生さんが行う五月祭企画への資金支援を始めました。素晴らしい企画が昨年今年と2年連続で五月祭全体での「学術・文化・展示部門」で優勝するとともに、駒場からの進学振り分けに対し、望ましい効果が出ております。
このように基盤作りが一段落いたしましたので、昨年2012年からはこの基盤を利用した様々な活動を具体化し、同窓会の一層の活発化を図るべく計画を進めています。とくに力を入れているのは、先ほどご紹介しました学生活動の支援の組織化、また世代間交流の支援とくに現役学生への特別講義の講師紹介、また各種コミュニティの立ち上げとくにシニア世代向けの企画の実施などであります。これらは理事会や活性化WGで検討して実行している活動ですが、今後新しい活動を皆様からもご提案いただきたく、またその実行に参加し協力していただける会員を募っております。
またこれら新しい施策を実行するにしても、今までは財務的には会費納入率が30%ほどという収入の範囲での活動でありました。この会費納入率向上のため、今年は納入者への一層のサービスの向上を行い、さらに来年度から銀行自動引き落としによる会費納入方法を導入します。これにより、財務を改善し、活動の一層の充実を図る計画です。
同窓会は、電気系学科を卒業したという共通の絆を基に、会員の皆様が交流を楽しむ場です。これまでより多くの方が同窓会活動に参加していただけるような機会をつくり、それにより会員皆様の生活がより充実できるよう役員一同努力するつもりです。
最後になりましたが、私を含め役員や委員の方々への、皆様からのご指導とご支援を重ねてお願いいたします。