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  • 新任のご挨拶/竹内健

    平成19年(2007年)7月16日付けで新領域創成科学研究科基盤情報学専攻の准教授に着任いたしました。伝統ある東大電気系の一員として研究・教育に携わる機会を与えて頂きましたことを改めて感謝致しますと伴に、着任に関してお骨折り頂きました先生方に厚く御礼申し上げます。 経歴を紹介させて頂きますと、私は平成3年(1991年)に物理工学科を卒業後、平成5年(1993年)に修士(物理工学専攻)を修了致しました。平成5年(1993年)から昨年着任するまでの14年間は、東芝にてNAND型フラッシュメモリの研究開発に携わりました。その間、平成15年(2003年)にはスタンフォード大学にて経営学修士(MBA)、平成18年(2006年)には論文博士(電子工学専攻)の学位を頂きました。

    東芝では、生まれて間もない新しいデバイスであったNAND型フラッシュメモリの基礎的な研究から、製品開発、工場の立ち上げ、マーケティングと様々な仕事をしてきました。最初は社内ベンチャーのような少人数で行っていたプロジェクトが、現在は携わる技術者は数100人、売上5千億円超にまで成長する過程で、多様な経験をすることができ、企業における技術者としては大変幸運だったと思っております。最近の数年間は商品企画や組織の運営に携わっておりましたが、できればもう一度人生をリセットし、新しい技術をゼロから立ち上げたいと思っていたところに、東大電気にてチャンスを頂きましたことを心から感謝しております。

    一方、技術的側面では半導体業界は現在大きな転換点を迎えております。例えば最先端のフラッシュメモリは40ナノメートルまで微細化され、メモリ素子に蓄える電子数は数10個まで減少しています。5年後には10ナノメートルサイズで、電子数は数個レベルになり、いよいよムーアの法則に則った微細化が物理的な限界を迎えます。その一方、地球環境保全の観点からも、集積回路の高集積化、低消費電力化というのは21世紀中も大変重要です。このような大きな需要がある一方、技術的限界を迎えている半導体産業は、研究者にとっては大きなチャンスを秘めていると思います。東大では、強誘電体・磁性体・強相関材料など、新材料・物性に大きな蓄積がございますので、先生方にご指導頂きながら、新しい半導体技術の創造に微力ながら貢献していきたいと考えております。アカデミック分野での経験がございませんので、至らない点が多々あると存じますが、ご指導・ご鞭撻を賜たまわりたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

    (平成3年物工卒 新領域創成科学研究科基盤情報学専攻准教授)

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